平成282016)年度 一般研究1実施報告書

 

課題番号

28−共研−1007

分野分類

統計数理研究所内分野分類

b

主要研究分野分類

9

研究課題名

機械学習を用いたバイオロギングデータからの行動情報の抽出

フリガナ

代表者氏名

コヤマ シンスケ

小山 慎介

ローマ字

Koyama Shinsuke

所属機関

統計数理研究所

所属部局

モデリング研究系

職  名

准教授

 

 

研究目的と成果(経過)の概要

多種の生物群集およびそれらをとりまく環境が有機的に統合された生態系の定量的理解は、生物種の保全と管理、資源保護、地球環境問題など、さまざまな目的のために必要である。しかしながら、自然環境下での観察が中心である生態学では定量的な研究が困難である。近年注目されている「バイオロギング」とは、生物に小型のビデオカメラやセンサーを取り付けてデータを記録し、行動や生態を調査する研究手法である。この研究手法により動物個体の行動を長時間追跡することが可能となり、生態学の定量的研究に大きな可能性を開いた。本研究の目的は、バイオロギングデータから動物の行動情報を自動的に抽出する機械学習アルゴリズムを開発することである。特に海鳥の加速度時系列データから採餌行動を自動的に判別するアルゴリズムの研究を行った。
本研究では、行動から加速度の生成過程を「スイッチング状態空間モデル」を用いてモデル化した。海鳥の行動を有限個の離散状態に割り当ててマルコフ的に遷移するとし、各状態に対応した線形ガウス過程から加速度時系列が生成されるとする。このモデルに基づくと、行動の抽出は観測(加速度時系列データ)から隠れ状態の推定として定式化できる。隠れ状態の推定アルゴリズムを変分ベイズ法を用いて構築し、数値シミュレーションで生成したデータを用いてアルゴリズムが正しく動作することを確認した。アルゴリズムをバイオロギングデータに応用することが今後の課題である。

 

当該研究に関する情報源(論文発表、学会発表、プレプリント、ホームページ等)


研究会を開催した場合は、テーマ・日時・場所・参加者数を記入してください。


 

研究参加者一覧

氏名

所属機関

佐藤 信彦

総合研究大学院大学