平成242012)年度 一般研究2実施報告書

 

課題番号

24−共研−2004

分野分類

統計数理研究所内分野分類

a

主要研究分野分類

3

研究課題名

マルコフ連鎖モンテカルロ法の生態学データ解析への応用

フリガナ

代表者氏名

クボ タクヤ

久保 拓弥

ローマ字

kubo takuya

所属機関

北海道大学

所属部局

大学院地球環境科学研究院

職  名

助教

配分経費

研究費

40千円

旅 費

74千円

研究参加者数

2 人

 

 

研究目的と成果(経過)の概要

本研究の目的は,外来侵入生物であるアルゼンチンアリの広島県廿日市市内における分布拡大に関して,2000-2011 年の 12 年間にわたって蓄積された観測データを説明できる時系列・空間統計構造のあるベイズモデルを構築し,都市内スケイルでのアルゼンチンアリの分布拡大を定量的に予測するものである.アルゼンチンアリは南米原産の小型のアリで,世界各地でその分布域を拡大している著名な侵略種である.日本では広島県廿日市市周辺で遅くとも 1993 年ごろから定着が報告されている.外来種であるアルゼンチンアリは,日本では高い増殖能力をもち,人間の生活空間を混乱させる不快生物として,また在来の昆虫群集にインパクトを与える侵入種として,その動態把握が必要とされている.
上記のような構想にもとづいて設計した統計モデルを長期観測データにあてはめて得られる解析によって,外来侵入種であるアルゼンチンアリは在来アリ群集の主要構成種すべての集団サイズを縮小させる効果があることがわかった.また在来アリ種と比較した場合,アルゼンチンアリの局所密度は高くなる性質をもつという結果も得られた.これらはアリ研究者たちが経験的に認知していたアリ群集の性質と一致するものであり,今回の研究によってデータにもとづいて定量的にそれが支持された.今後のアルゼンチンアリ防除施策に貢献できる可能性がある.

 

当該研究に関する情報源(論文発表、学会発表、プレプリント、ホームページ等)

アルゼンチンアリ研究会議 (2013 年 2 月)
http://hosho.ees.hokudai.ac.jp/~kubo/log/2013/img02/aa20130218.txt
で国立環境研・地方自治体のアルゼンチンアリ担当者・大学の
アルゼンチンアリ研究者に対して研究成果を発表した.

研究会を開催した場合は、テーマ・日時・場所・参加者数を記入してください。

研究会は開催していない.

 

研究参加者一覧

氏名

所属機関

伊庭 幸人

統計数理研究所