昭和611986)年度 共同研究集会実施報告書

 

課題番号

61−共研−77

専門分類

9

研究課題名

都市環境意識研究会

フリガナ

代表者氏名

ミズノ キンジ

水野 欽司

ローマ字

所属機関

大学入試センター

所属部局

研究開発部

職  名

教授

所在地

TEL

FAX

E-mail

URL

配分経費

研究費

0千円

旅 費

0千円

研究参加者数

14 人

 

 

 

研究目的と成果(経過)の概要

都市環境の問題,特にアメニティ,に対する住民の認知や態度の計量化は,方法論的に困難な問題が多い。
本研究会は,この種の研究に過去従事してきた参加予定者が,それぞれの調査分析事例をもちより,集中的に討論し,今後の研究方や分析のあり方を探り,都市環境研究の進展に寄与することを目的とする。
討論の主たる内容項目は,調査法やデータ分析法に関するものであるが,都市問題に役立つ資料としての妥当性を重視する。
そのため,都内在住の都市計画,建築の関係者,および自治体の職員等にも参集を求めて,討論の充実を期す。
また,研究会の成果を印刷物にまとめ,関係の研究者の参考に供する。


都市環境の快適性の問題に対する住民の認知や態度の計量化は,多くの困難を抱えており,また実際の問題に結果をどう活かすかに関する見通しも未だ明瞭でない。
本研究会は,参加者がそれぞれの研究的経験をもちより,集中的に討論し,今後の研究方法や分析のあり方を探ることを趣旨として開催された。したがって,完結した研究発表ではなく,研究途上の“なま”の問題点を取り上げて,自由に意見交換を行うことを特色とする。
開催は昭和61年10月13日。会場は統計数理研究所研修室。参加者は大学院学生を含め,23名であった。
問題提供者(講演者)は次の4名である。(各30分)
1)久野覚(名古屋大・工学部)
温熱環境における“寒・暑”と“涼・温”の感覚が同一次元でないとする実験結果とその成因考察からの,類比として,一般の環境質問項目への回答の意味を解釈する試みの提案。
2)斉藤平蔵(東京理大・理工学部)
都市環境制御のあり方として,調査結果の検討に基づき,広義の環境の距離とは人間関係を示すテリトリーであり,その視点から環境設計を考えるべきことの重要性の強調。
3)原科幸彦(東京工大・工学部)
街並み景観設計に地域住民を参加させる手法・手順についての具体例とその効用を紹介。問題点の考察。
4)水野欽司(統計数理研究所)
都市域全体を対象とする調査分析に際し,‘なま’の測定値(回答数値)をそのまま用いず,市域を細かく分割した小区域をもうけ,全測定値を区域間(between)と区域内(within)の成分に分離して分析を行った結果を紹介。この方式が従来欠けていた新知見をもたらす可能性を示した。
討論では,各問題提供者の意見・考え方に対する質問,反論など活発な発言が続き,時間を延長して徹底を期した。参加者の大部分は,今回のような都市環境意識の調査・実験・分析の経験者であり,発言内容は広い範囲に渡った。
(付記)
本研究会の参加予定者であった鹿児島大法文学部の井上佳朗助教授は病気のため,統計数理研究所の大隅昇助教授は別途用務のため欠席した。


 

当該研究に関する情報源(論文発表、学会発表、プレプリント、ホームページ等)

この研究会に直接関係する「研究発表」の類は,現時点までの間では,出現していない。


 

研究参加者一覧

氏名

所属機関

伊瀬 洋昭

東京都環境科学研究所

伊藤 正

鹿島建設株式会社

井上 佳朗

鹿児島大学

大隅 昇

統計数理研究所

柏木 宣久

統計数理研究所

久野 覚

名古屋大学

斉藤 平蔵

東京理科大学

菅谷 健一

(財)東京都市科学振興会

中村 芳樹

東京工業大学

原科 幸彦

東京工業大学

平手 小太郎

東京大学

宮野 静夫

(財)東京都市科学振興会

渡辺 圭子

建築研究所