昭和621987)年度 共同研究実施報告書

 

課題番号

62−共研−75

専門分類

7

研究課題名

ベイズ型モデルの水産資源解析への適用

フリガナ

代表者氏名

ナカムラ タカシ

中村 隆

ローマ字

所属機関

統計数理研究所

所属部局

調査実験解析研究系

職  名

助教授

所在地

TEL

FAX

E-mail

URL

配分経費

研究費

0千円

旅 費

0千円

研究参加者数

6 人

 

 

 

研究目的と成果(経過)の概要

漁業資源の量的な評価のために必要な基本データは漁獲量と努力量であるが,努力量の測定と評価は困難なことが多い。コホート解析は,年齢別漁獲尾数がよく把握されていれば,努力量の情報がなくとも資源量の変化をトレースできる解析法である。本研究では,最近,実学の分野で応用が拡がっているベイズ型モデルに注目して,コホート解析の問題点を是正し精度の高い解析を目指す。


漁業資源解析におけるコホート解析は,継続的な年齢別漁獲尾数データから資源量の変化と努力量を捉えようとする方法であるが,実際のデータを適用するには様々な問題点を抱えている。本研究の目的は,漁業資源解析におけるコホート解析の問題点を整理し,ベイズ型モデルによってその問題点を克服することである。
本年度の研究実施状況は以下のとおりである。
1.シングルコホート解析によって,時代・年齢・コホートの3効果の影響の程度,および問題点を検討した。
2.シミュレーション・データによってマルチコホート解析の問題点を検討した。
3.社会科学分野におけるコウホートモデルと水産資源学におけるマルトコホートモデルとの対比・整理を行なった。
4.限定された状況下であるが,水産資源学における漁獲方程式に適合したベイズ型コウホートモデルを開発した。
5.シミュレーション・データによって開発したベイズ型コウホートモデルの振舞いを検討した。


 

当該研究に関する情報源(論文発表、学会発表、プレプリント、ホームページ等)

1.松宮,大西,中村:「ベイズ型コウホートモデルの水産資源解析へ適用」,日本水産学会,1987年4月。
2.Nakamura:A Bayesian Cohort Model for Catch−at−Age DATA,Research Memorandum,No.341.
3.大西,松宮,中村:日本水産学会,1988年10月。(予定)


研究会を開催した場合は、テーマ・日時・場所・参加者数を記入してください。

1.シングルコホート解析により,時代・発達・世代の3効果の影響の程度や問題点を模索する。2.3効果を考慮したシングルコホートのデータを,マルチコホートモデルに入力して検討する。3.既存のベイズ型コウホートモデルと水産学におけるマルチコホートモデルとの対比検討を行なう。4.水産学における漁獲方程式に対応したベイズ型コホートモデルを開発する。5.シミュレーション実験を行ない,開発したモデルの振る舞いについて検討する。6.実際の漁業や魚種に適合したモデルを開発し,検出された3効果と実際の状況との比較検討を行なう。7.〔共同研究の必要性〕水産学における現実のデータと既存の解析モデルをもちより,統数研で開発されたベイズ型モデルと計算機環境を利用することによって,水産学におけるコホート解析を発展させることができる。


 

研究参加者一覧

氏名

所属機関

赤嶺 達郎

中央水産研究所

巌佐 庸

九州大学

桜本 和美

東京水産大学

白木原 國雄

長崎大学

松宮 義晴

東京大学