平成222010)年度 一般研究1実施報告書

 

課題番号

22−共研−1003

分野分類

統計数理研究所内分野分類

a

主要研究分野分類

4

研究課題名

海洋データ同化システムに用いる誤差分散共分散行列の作成に関する研究

フリガナ

代表者氏名

フジイ ヨウスケ

藤井  陽介

ローマ字

Yosuke Fujii

所属機関

気象庁気象研究所

所属部局

海洋研究部

職  名

研究官

 

 

研究目的と成果(経過)の概要

 海洋データ同化システムとは、海洋の状態変化を予測するモデルと海洋観測のデータから得られる情報を組み合わせ、現実の海洋変動の再現を行うシステムであり、モデルとデータの情報を統計的に最適な方法で融合させるために、観測データ、及び、モデルの予報誤差についての正則な誤差分散共分散行列を必要とする。しかし、海洋データ同化システムで扱う観測データやモデルの予報変数の数は非常に多く、観測データやモデルのシミュレーション結果について、正則な誤差分散共分散行列を作成するのに十分な数のサンプルを用意するのは困難である。そこで、統計数理研究所では、グラフィカルモデルを用いて少ないサンプル数から近似的に正則な誤差分散共分散行列を作成する方法を開発した。本研究では、上記の手法を、気象庁格子点海面水温データの誤差共分散行列の作成に適用し、気象研究所海洋データ同化システムにおいて、作成した行列を用いることにより、その有用性について検討することを目的とした。
 本年の研究では、まず、気象研究所において、本研究で利用する海面水温データを整備して、統計数理研究所に送付した。その後、統計数理研究所では、スーパーコンピュータシステム上で、上記の海面水温観測データの読み込みが可能となるようにコンピュータープログラムの整備を終了し、年度末には、統計数理研究所のスーパーコンピュータシステムを用いて、グラフィカルモデルを用いた正則な観測誤差共分散行列の作成に取りかかる予定であった。しかしながら、3月11日の東日本大震災の発生により、統計数理研究所のスーパーコンピュータシステムの運用が停止となり、上記の正則な行列の作成を行うことが不可能となった。
本年度に未達成であった正則な観測誤差共分散行列の作成については、本研究の継続研究である公募型共同利用(一般研究1)「海洋データ同化システムに用いる誤差分散共分散行列の作成に関する研究(2)」において、計算機事情を勘案しながら行いたい。

 

当該研究に関する情報源(論文発表、学会発表、プレプリント、ホームページ等)


研究会を開催した場合は、テーマ・日時・場所・参加者数を記入してください。


 

研究参加者一覧

氏名

所属機関

上野 玄太

統計数理研究所

碓氷 典久

気象庁気象研究所

蒲地 政文

気象庁気象研究所

土谷 隆

政策研究大学院大学