平成26(2014)年度 一般研究1実施報告書
| 課題番号 | 26−共研−1001 | 分野分類 | 統計数理研究所内分野分類 | a | ||
| 主要研究分野分類 | 3 | |||||
| 研究課題名 | 感染症シミュレーションのデータに基づく妥当性評価 | |||||
| フリガナ 代表者氏名 | サイトウ マサヤ 斎藤 正也 | ローマ字 | Saito Masaya | |||
| 所属機関 | 統計数理研究所 | |||||
| 所属部局 | データ同化研究開発センター | |||||
| 職 名 | 特任研究員 | |||||
| 研究目的と成果(経過)の概要 | 
| 計算量の少ないインフルエンザ流行予測モデルの構成を目的として,潜在変数と観測変数がほぼ一対一に対応するモデルする連結SIRモデルを検討した.連結SIRモデルには目的に応じてバリエーションがある,が,今回採用したモデルでは,このモデルは都道府県毎に感受性者数と感染者数の2つの変数を持ち,パラメータを通じて,都道府県間にまたがる感染伝播が導入される.感染の伝播は確率的(人数変化はポアソン過程に従う)である.相互作用パラメータの最適化を通じて,モデル妥当性評価を行った。その結果、単独のSIRモデルと比較して予測誤差は縮小できたが,予測値の平均的な挙動には大きな違いが見られなかった.その考察を以下に行う.いくつかの都道府県のデータで,ピーク付近で感染者数が高止まりする現象が確認される.これが一様接触かつ閉鎖系を仮定した感染流行との乖離の主な部分で,他県との相互作用を導入することでこれが解消されると予想して,上述のモデルを検討した.上述のように,パラメータ最適化の結果はこれを否定するものである.数個の要素に限定したトイ・モデルでの考察により,都道府県より小さい単位での流行をモデルに取り入れる必要が考えられた.今後,いくつかの都道府県で利用できる市区町村レベルのデータを用いてモデルの見直しを図りたい。 | 
| 当該研究に関する情報源(論文発表、学会発表、プレプリント、ホームページ等) | 
| 斎藤正也, 井元清哉, 山口類, 佐藤弘樹, 中田はる佳, 上昌広, 坪倉正治, 宮野 悟, 樋口知之, インフルエンザ流行対策への計算機シミュレーション活用へ向けての取り組み, 第85回日本衛生学会学術総会・若手プロジェクトシンポジウム「感染症の数理モデル研究の紹介」, 平成27年3月28日, ホテルアバローム紀の国 | 
| 研究会を開催した場合は、テーマ・日時・場所・参加者数を記入してください。 | 
| 開催していない. | 
| 研究参加者一覧 | |
| 氏名 | 所属機関 | 
| 井元 清哉 | 東京大学医科学研究所 | 
| 樋口 知之 | 統計数理研究所 | 
| 宮野 悟 | 東京大学医科学研究所 | 
| 山口 類 | 東京大学医科学研究所 |