平成31991)年度 共同研究実施報告書

 

課題番号

3−共研−81

専門分類

8

研究課題名

梵文法華経の数理文献学的解析

フリガナ

代表者氏名

ムラカミ マサカツ

村上 征勝

ローマ字

所属機関

統計数理研究所

所属部局

領域統計研究系

職  名

教授

所在地

TEL

FAX

E-mail

URL

配分経費

研究費

0千円

旅 費

0千円

研究参加者数

6 人

 

 

 

研究目的と成果(経過)の概要

本研究は,大乗仏教の重要経典であるサンスクリット語法華経(28品)を対象とし,その経典の本文と文法等の計量可能なあらゆる情報をコンピューターに入力し,数量化された法華経の情報の統計分析によって諸品の性質の特徴・諸品間の関係をはじめ執筆順序の推定を行いあわせて,従来の法華経研究の成果と比較研究を試みるものである。


3年計画の最終年に当たる今年度は、1.前年度までに終了した梵文法華経のデータのチェック、修正 2.単語索引の作成及び出版 3.作成したデータベースを用いた計量分析などに関連する作業を行った。
1に就ては、前年度までに完了した、梵文法華経本文を単語に分割したデータベースのチェックを行ない、部分的に誤りを修正するなどの作業を行った上、データベースを完成させた。
2に就てはそのデータベースを基礎に、単語索引としての形態を整え、出版原稿の完成を見るに至った。法華経は西域、中国、朝鮮、日本などの各地の文化に大きな影響を及ぼした。同経をめぐり現在に至るまで様々な研究が試みられてきたが、整備されたインデクスはまだ存在していない。このため本研究に於てはいわば副産物としてではあるが、索引の刊行を企図した。現在のところ作業は概ね完了し、原稿の形になっている。
3に就ては作成したデータベースを基に文献情報に関する簡単な計量分析を行った。その結果、文長、語長、文の数など文に関する情報に基づき、いくつかの貴重な情報が得られた。しかし、今回作成したデータベースには文法情報が動詞の判別等、未だ低い段階にとどまったため、文法情報に基づく分析に着手するに至らなかったことが残念である。今後の課題として、可能であれば試みなければならない問題である。
本研究はおそらく世界初の梵文文献を対象とする研究である。そのため、まだまだ議論されねばならない課題は多いが、所期の研究目的は達成されたと言える。


 

当該研究に関する情報源(論文発表、学会発表、プレプリント、ホームページ等)

?村上征勝,計量文献学の現状,人文科学コンピューティングシンポジウム,1991年6月29日

研究会を開催した場合は、テーマ・日時・場所・参加者数を記入してください。

3年計画の研究の最終年に当たる今年度は
1.入力した梵文法華経のデータのチェック及び修正
2.単語索引の作成及び出版
3.作成したデータベースを用いた計量分析
を行い,研究を完了する。なお,この研究はその内容から,インド仏教学と統計数理学の両分野の研究者が協力して行わなければならない学際的な研究である。


 

研究参加者一覧

氏名

所属機関

石井 公成

駒澤短期大学

伊藤 瑞叡

立正大学

岸野 洋久

東京大学

田賀 龍彦

立正大学

平川 彰

東京大学