昭和621987)年度 共同研究集会実施報告書

 

課題番号

62−共研−50

専門分類

5

研究課題名

乱流の統計理論とその応用

フリガナ

代表者氏名

オカザキ タカシ

岡崎 卓

ローマ字

所属機関

統計数理研究所

所属部局

統計科学情報センター

職  名

教授

所在地

TEL

FAX

E-mail

URL

配分経費

研究費

0千円

旅 費

0千円

研究参加者数

40 人

 

 

 

研究目的と成果(経過)の概要

乱流は流体運動の強い非線形性によって生ずるストカスティックな現象である。それ故、その統計理論的研究の発展は他の基礎科学におけるストカスティックな現象の研究に寄与する所が大きい。また乱流は自然および工学現象,例えば工学における熱輸送,環境科学における物質拡散,核融合におけるプラズマ閉じ込め,気象学における大気循環などにあっても大きな役割を演じている。
本研究会は,乱流統計理論の研究者に対し広い応用分野への注意を喚起し,応用研究者との交流を通じて,理論研究の一層の発展を図ることを目的としている。


統計理論に基づく乱流の基本法則の解明とその応用の観点から次の12講演を中心に研究討論を行なった。
(1)福本康秀・宮崎武:集中渦の3次元的運動と安定性
(2)入江治行:磁力線の彷徨不安定と輸送
(3)斉藤善雄・中内紀彦・大嶋洋:軸対称乱流
(4)水島二郎・木田重雄・柳瀬真一郎:MHD乱流と乱流ダイナモ
(5)羽鳥尹承:MHDセルオートマトンモデルと輸送
(6)金田行雄・後藤俊幸:Lagrangian renormalized approximationとその応用
(7)木田重雄:渦管のつなぎかえ
(8)草野完也:磁気リコネクションとMHD緩和過程
(9)石井克哉:粘性のある渦輪
(10)山本稀義:スペクトル法による乱流の数値シミュレーション
(11)真田勉:マルチフラクタルβモデル
(12)中野徹:Renormalization theory by Yakhot−Orszag
上記講演は渦概念による乱流場の把握(1,7,9,11),クロージャー(方程式系の閉結問題)(6,12),数値シミュレーション(3,10),電磁流体発電および地球物理への応用(2,4,5,8)に分類できる。これらの発表討論を通して
(1)乱流の統計理論の進展状況と直面する課題
(2)数値シミュレーションのための新算法の案出と算法に即したスーパーコンピューターの開発の必要性
が明らかとなった。
本研究会は昨年に続くものであるが,開催予算額の増加により関西・中国地方からの講演者も得て,巾広い講演と意義ある討論が可能となった。流体の存在する所に普遍的に見られる乱流現象の重要性に鑑み,次年度以后もこのような研究会が開催されることが望ましい。


 

当該研究に関する情報源(論文発表、学会発表、プレプリント、ホームページ等)

本研究会の内容は統計数理研究所「統計数理」および日本流体力学会「ながれ」誌上に要約報告される予定であり,また各発表講演はより整備された形で物理学天文学・地球科学等の関連学協会誌に公表されるものと考えられる。


 

研究参加者一覧

氏名

所属機関

石井 克哉

名古屋大学

入江 治行

日本大学

内海 正樹

東京農工大学大学院

大嶋 洋

東邦大学

金田 行雄

名古屋大学

神部 勉

東京大学

木田 重雄

核融合科学研究所

木村 芳文

名古屋大学

草野 完也

広島大学

桑原 真二

帝京技術科学大学

後藤 俊幸

名古屋工業大学

斉藤 善雄

東邦大学

佐藤 哲也

核融合科学研究所

真田 勉

日本シンキングマシーンズ

島田 一平

日本大学

下村 裕

慶應義塾大学

住 明正

東京大学

高木 隆司

東京農工大学

竹田 宏

リクルートISR

竹光 信正

東京大学

田中 航二

大阪商業大学

富山 泰伸

東京都立大学

中内 紀彦

東邦大学

中野 徹

中央大学

羽鳥 尹承

核融合科学研究所

半場 藤弘

東京大学

樋口 知之

統計数理研究所

福本 康秀

東京大学大学院

藤村 薫

鳥取大学

細川 巌

電気通信大学

堀内 潔

東京工業大学

堀畑 聡

豊橋技術科学大学

水島 二郎

同志社大学

宮嵜 武

電気通信大学

村上 洋一

大阪府立大学

柳瀬 眞一郎

岡山大学

山田 道夫

東京大学

山本 稀義

航空宇宙技術研究所

吉沢 徴

東京大学