昭和611986)年度 共同研究実施報告書

 

課題番号

61−共研−21

専門分類

4

研究課題名

社会調査におけるこれからの調査手法に関する基礎的研究

フリガナ

代表者氏名

スズキ タツゾウ

鈴木 達三

ローマ字

所属機関

帝京平成大学

所属部局

情報学部

職  名

教授

所在地

TEL

FAX

E-mail

URL

配分経費

研究費

0千円

旅 費

0千円

研究参加者数

3 人

 

 

 

研究目的と成果(経過)の概要

社会調査をめぐる環境は近年急速に変化している。その1は住民基本台帳の閲覧に関する要因であり,将来的には地域抽出法を考える必要性のあること。その2は調査データの蓄積に伴い,調査票設計に関してより本質的な検討が必要になってきたこと。その3は調査主体や被調査者の意識が変化してきたことであり,現在その対処を模索している問題であるが従来の調査方式の延長では対処し得ないと考えられるので,調査法の基礎から再検討を進める。


「地域抽出法」に関して,とくに中高層の集合住宅からなる地域(いわゆる団地やニュータウン)における標本抽出法について,種々の方法を検討し,大阪府下千里ニュータウンにおいて標本抽出を試み,調査を実施した。
集合住宅地域からの標本抽出のためのリスト(台帳)を作成するために,1.住宅地図による世帯名のリスティング,2.住民基本台帳からのリスティング,3.自治会名簿によるリスティング,4.訪問面接によるリスティングを行ない,その一致度を比較し,それにもとづき標本抽出を行なった。その結果,集合住宅地域では,所有者と居住者が異なっていることが多く,また抽出・転入も激しいため,訪問面接によるリスティングが最も正確であると判断された。
また提出された標本に対して,「住宅意識に関する調査」を実施したが,系統的抽出法を用いる多段抽出法では,偏りが大きくなると判断された。そのために,まず集合住宅を,1.住宅の型態(戸数,階数,タイプ),2.所有形態(民間分譲・賃貸,公団公社分譲・賃貸,給与住宅),3.延面積,4.築年数によって層化し,そのなかから無作為に集合住宅を抽出し,次に抽出された各集合住宅の階段棟数を無作為に抽出し,最後にその抽出された階段棟のすべての住戸に居住する世帯主をリスティングし,訪問面接調査することが望ましいことが認められた。これらの方法によって標本誤差が一定水準に抑えられることが確認された。
さらに訪問面接調査において,1.自治会を通じて行なう場合と2.直接対象者に面接する場合を比較し,それと共に,住宅の構造,室数,畳数などの構造的な質問項目については自記式とし,住宅満足,将来の住宅希望などの意識項目では他記式とした。


 

当該研究に関する情報源(論文発表、学会発表、プレプリント、ホームページ等)

・日本社会学会大会(昭和62年日本大学)にて「中高層集合住宅地域における標本抽出法」として発表予定。
・調査報告書を作成する予定(論文の発表も予定しているが,現在のところ題名・誌名は未定)。


研究会を開催した場合は、テーマ・日時・場所・参加者数を記入してください。

社会調査をめぐる環境は近年急速に変化している。その1は住民基本台帳の閲覧に関する要因であり,将来的には地域抽出法を考える必要性のあること。その2は調査データの蓄積に伴い,調査票設計に関してより本質的な検討が必要になってきたこと。その3は調査主体や被調査者の意識が変化してきたことであり,現在その対処を模索している問題であるが従来の調査方式の延長では対処し得ないと考えられるので,調査法の基礎から再検討を進める。


 

研究参加者一覧

氏名

所属機関

高橋 宏一

石巻専修大学

直井 優

大阪大学