平成252013)年度 共同利用登録実施報告書

 

課題番号

25−共研−13

分野分類

統計数理研究所内分野分類

i

主要研究分野分類

4

研究課題名

電磁場中の帯電微粒子群の運動の解析

フリガナ

代表者氏名

イシザキ リュウジ

石崎 龍二

ローマ字

Ishizaki Ryuji

所属機関

福岡県立大学

所属部局

人間社会学部

職  名

教授

 

 

研究目的と成果の概要

交流電場によって閉じ込められた帯電微粒子群の運動、散逸のあるクーロン多体系が示す現象を解明するため、数理モデルの数値計算を行った。数値計算の手法として、4次のRunge-Kutta法を使い、コントロールパラメータに対する分岐構造を解明するために線形安定性解析を行なった。
交流電場によって閉じ込められた帯電微粒子が複数存在する場合には、疑似ポテンシャルによる中心力と2粒子間のクーロン斥力との釣り合いにより安定な平衡配置(結晶構造)が形成される。
電磁場中に2個の帯電微粒子が存在する場合には、2つの粒子が平衡配置のまわりで電磁場の周期で振動する振動解が生じる。コントロールパラメータを動かすと不規則に変動するカオスが発生する。線形安定性解析を行った結果、安定な強制振動やカオスが発生するパラメータ領域を数値計算によって求めた。また、リアプノフスペクトル(第3リアプノフ指数まで)の数値計算により周期倍加、ロックされたカオスなどの分岐構造を調べた。
電磁場中に3個の粒子が存在する場合には、安定な三角形配置を保ちながら、中心から放射状に電場の周期で振動する解が存在し、コントロールパラメータを動かすと粒子の不規則な配置換えが間欠的に発生する運動が発生することがわかった。この間欠的な運動の統計的性質については、今後の研究で解明していく予定である。また3粒子の運動の分岐構造については、リアプノフスペクトルなどの解析により、調べていく予定である。