平成192007)年度 共同利用登録実施報告書

 

課題番号

19−共研−8

分野分類

統計数理研究所内分野分類

g

主要研究分野分類

8

研究課題名

科学技術研究評価と合理的政策意思決定手法の基礎研究

フリガナ

代表者氏名

シブヤ カズヒコ

渋谷 和彦

ローマ字

SHIBUYA, Kazuhiko

所属機関

理化学研究所

所属部局

研究プライオリティー会議

職  名

研究政策企画員

 

 

研究目的と成果の概要

今回の申請の主目的は、(1)評価尺度と指標化、(2)合理的意思決定手法の検討についてであった。今回の申請をおこなった主たる理由は、筆者が勤める理化学研究所において、筆者自身が研究業績評価、技術評価をはじめとして、政策マネジメント、意思決定支援のあり方を学術的に検討し、報告するべき立場にあったためである。
今年度は、当初予定していたデータ解析を行うよりも、むしろ、科学技術政策を巡る課題を整理し、徹底的な検討を加えなければならないことが判明したため、目的(1)については、今後の研究を進めていく上で必要となる課題を批判的に検討した。また、目的(2)に関しては、研究業績の評価、そして研究戦略立案やプライオリティ決定に役立つ意思決定・分析手法を提案することとした。
具体的には、目的(1)に関しては、ナショナル・イノベーション・システムの見地から、旧来の研究業績評価の問題を批判的に検討する必要があり、そうした問題について探究した。これにより、これまで国内外で取り組まれている研究業績評価のあり方は不十分であること、そして、科学技術評価とイノベーションを目指す政策に関して、両者をつなぐ研究を進めることの意義が明らかにされた。
一方、目的(2)については、研究業績の評価とは、学術的価値基準に依拠する意思決定と考えられることから、AHPを利活用した評価モデルと手法を提案した。また、学術的研究の一連のプロセスにおける事前・中間・事後の研究評価手法(数理的なモデリング)を提案することが出来た。
外部への報告としては、以上の(1)と(2)に関する研究報告を2件、国際会議にて行った。また、研究論文4本をまとめ、それらをまとめた報告書を貴研究所へ提出することが出来た。
以上、今回の研究プロジェクトは非常に有意義であったと自負している。最後ではあるが、特に記して、貴研究所に感謝したい。