平成152003)年度 客員型研究実施報告書

 

課題番号

15−共研−3001

専門分類

9

研究課題名

水環境問題に於ける統計的認識手法の確立と実務での検証

フリガナ

代表者氏名

イワセ コウセイ

岩瀬 晃盛

ローマ字

Iwase Kosei

所属機関

広島大学

所属部局

大学院工学研究科

職  名

教授

所在地

TEL

FAX

E-mail

URL

配分経費

研究費

0千円

旅 費

0千円

研究参加者数

14 人

 

 

 

研究目的と成果(経過)の概要

最初の研究目的である水環境問題を中心に据えた統計的認識方法および統計的処理方法
に関連する問題の解決及び問題の掘り起こし達成の為に、行政的に解決が迫られている統
計科学的な問題の明確化・抽象化を試みた。まず、平成15年5月16日および7月11
日に小規模な研究集会を実施し、行政に携わっている関係者の出席を求めて問題提起の打
ち合わせを行った。これらの成果に基づいて平成15年9月10日に統計数理研究所講堂
においてISMシンポジウム「環境科学と統計科学の新たな融合 ?環境マネージメント
における統計科学の役割および貢献?」の開催を実現した。これは(社)環境科学会との
共催で行われ、行政の関係者である環境省水環境部水環境管理課瀬川恵子氏および環境省
装具尾環境政策局環境保健部環境安全課福島健彦氏の両名より基調講演、さらにこれらに
基づいて6件の講演がなされ、本共同利用研究の最初の目的が達成された。このシンポジ
ウムの実現およびその後の共同研究の推進には共同利用研究3としての客員教授である豊
橋技術科学大学藤江幸一氏が中核となってなされたものであり、統計数理研究所における
客員制度の有効性がいかんなく発揮されたものである。このシンポジウムでの講演内容は
その後の検討を経て統計数理研究所学術誌「統計数理」特集号に掲載が予定されており現
在進行中である。更に平成16年2月19日にこのシンポジウムの総括も含めた小規模の
研究集会を実施し、平成16年度へ向けてのPDCAを回した。
 二番目の研究目的である抽象化プロセスを経ての統計科学的な問題設定および問題解決
については、上記「統計数理」特集号にその成果の一部が掲載予定である。環境科学研究
者と統計科学研究者との共同論文という形での投稿が多くなされ、両分野の融合という大
きな目的が目に見える形で実現しつつあるものである。
 三番目の研究目的である環境関連分野への統計的方法の普及活動については、シンポジ
ウムが(社)環境科学会との共催であることが示すように、環境科学関係者への普及活動
が積極的になされたものである。

 

当該研究に関する情報源(論文発表、学会発表、プレプリント、ホームページ等)

1.ISMシンポジウム「環境科学と統計科学の新たな融合 ?環境マネジメントにおける統計科学
の役割および貢献?」、統計数理研究所、平成15年9月10日、総113ページ。
2.K.Kawamura and K.Iwase.Characterizations of the distributions of power inverse Gaussian and
others based on the entropy maximization principle.J.Japan Statist.Soc.,Vol.33(2003),
No.1,95-104.
3.村敏彦、岩瀬晃盛 2変量正規分布から導入されるある2変量分布の最大エントロピー法による特
徴付け、広島大学大学院工学研究科研究報告、第52巻(2003)、1号、7-14。
4.Akira Ohki,Tsunenori Nakajima,Hiro Yamashita,Akira Iwashita and Hirokazu
Takanashi,Leaching of Various Metals from Coal into Aqueous Solutions
Containing an Acid or Chelating Agent,Fuel Processing Technology,in press.
5.大久保卓也(2003)ため池の浄化効果,島谷幸宏・細見正明・中村圭吾編,「エコテクノ
ロジーによる河川・湖沼の水質浄化 ?持続的な水環境の保全と再生?」,218-237,ソ
フトサイエンス社,東京。
6.須戸幹,大久保卓也,國松孝男(2003)水田流域からの除草剤の流出と内湖での浄化効果
?エカイ沼流域での研究?,農業土木学会論文集 223号(71巻1号)71-78
7.中村好宏、馬場康維 双対尺度法と入れ替えのアルゴリズムによる分類、計算機統計学(2003)第
16巻 2号 掲載予定

研究会を開催した場合は、テーマ・日時・場所・参加者数を記入してください。

 

研究参加者一覧

氏名

所属機関

大久保 卓也

滋賀県琵琶湖研究所

岡田 光正

広島大学

小野 芳朗

岡山大学

金藤 浩司

統計数理研究所

川崎 能典

統計数理研究所

胡 洪営

中国清華大学

後藤 尚弘

豊橋技術科学大学

清木 徹

広島県保健環境センター

中村 好宏

東京女子医科大学附属膠原病リウマチ痛風センター

馬場 康維

統計数理研究所

樋口 知之

統計数理研究所

藤江 幸一

豊橋技術科学大学

山本 和夫

東京大学