平成51993)年度 共同研究A実施報告書

 

課題番号

5−共研−111

専門分類

1

研究課題名

多変量離散分布のもとでの主成分分析におけるノンパラメトリック検定法の有効性

フリガナ

代表者氏名

ウシザワ ケンジ

牛沢 賢二

ローマ字

所属機関

産能大学

所属部局

経営情報学部

職  名

助教授

所在地

TEL

FAX

E-mail

URL

配分経費

研究費

0千円

旅 費

0千円

研究参加者数

4 人

 

 

 

研究目的と成果(経過)の概要

多変量離散分布にもとづく主成分分析の固有値問題について、二標本問題に関するノンパラメトリック検定法の研究はほぼ完了しつつある。今年度は同じテーマについて、一標本問題に関するノンパラメトリック法の適用方法を検討するとともに、その有効性をシミュレーションにより確かめる。


多変量離散データにもとづく主成分分析の二標本固有値問題について、Mosesの等分散検定の方法の有効性をモンテカルロシミュレーションにより確かめ、その結果を第61回日本統計学会において発表した。ここで(1)連続型のデータにもとづく場合に比較して精度が良くないこと、(2)二標本の母固有値がすべて等しくない場合のノンパラメトリック検定法の有効性、についての指摘を受けている。(1)の問題に関しては、これまでのシミュレーションの条件として、変数の個数を3または5としているため、離散データの場合には、十分な結果が得られないことが考えられ、一標本の場合とあわせて今後の検討課題である。また、(2)の問題については、連続型のデータにもとづく場合も未確認であったため、特定の固有根のみが等しいという条件のもとでのシミュレーションを行い、その結果、これまでの方法が有効であることが確認できた。正規分布をベースとした主成分は特別の条件で漸近的に無相関となることも示し、それらの結果は、国際学会誌に投稿した。
今年度の主たる目標は、固有根に関しての一標本問題であったが、上記のように二標本に関していくつかの問題が指摘されたため、一標本問題については方法論を探るのみに終わった。一標本の場合は、これまでの研究で応用してきた、Ansari-Bradleyの方法やMoses法は適用できない。この場合には、R.G.Millerらが提案しているjackknife法の適用が有効であるものと思われ、次年度の検討課題である。


 

当該研究に関する情報源(論文発表、学会発表、プレプリント、ホームページ等)

・牛沢、杉山、佐藤:ある離散分布にもとづく主成分分析の二標本固有値問題に関するノンパラメトリック法
(日本統計学会第61回大会、1993年7月)
・杉山、牛沢:A non-parametric method to test equality of corresponding latent roots of two populations
in principal component analysis(49th session of I.S.I.,Florence:1993.8)

研究会を開催した場合は、テーマ・日時・場所・参加者数を記入してください。

(1)研究内容・方法論の検討:本研究では固有根に関する検定方法として、分散に関するノンパラメトリック法を応用している。一標本問題についてはジャックナイフ法などが提案されており、これらと併せて主成分分析に適用可能な方法論を検討する。
・シミュレーション実験:ここで検討された方法が、母集団分布特性、変数の数、サンプル数などの諸条件について、どれだけ有効性と保持できるかを大規模なシミュレーション実験により確かめる。
(2)共同研究の必要性・方法論の理論的背景として中心極限定理があり、清水良一先生の指導を仰ぎたい。さらにシミュレーション実験のために有効な物理乱数の利用が不可欠。


 

研究参加者一覧

氏名

所属機関

佐藤 義治

北海道大学

清水 良一

統計数理研究所

杉山 高一

中央大学