平成142002)年度 共同利用登録実施報告書

 

課題番号

14−共研−4

専門分類

3

研究課題名

時系列データのカオス性判定手法の開発

フリガナ

代表者氏名

ヨネモト コウジ

米本 孝二

ローマ字

Yonemoto Koji

所属機関

九州大学大学院

所属部局

数理学府

職  名

博士課程3年

所在地

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研究目的と成果の概要

本研究の目的は、観測時系列データに対するカオス性の判定手法を開発することである。
従来の時系列データのカオス性判定手法の多くは、データに含まれるノイズの影響を無
視している。また従来の方法はデータ数が膨大で、データが決定論的システムから生成
され観測誤差が0に近いときしか信用できない。しかし、一般に観測されるデータはデ
ータ数が有限で、ノイズを含んでいる。そこで、次のような時系列データのカオス性判
定手法を開発した。非線形自己回帰モデルのもとでデータから Nadaraya-Watson の
kernel 推定量と交差検証法を用いて埋め込み次元・遅延時間を推定する。推定した埋め
込み次元と遅延時間、および Nadaraya-Watson の kernel 推定量を用いてスケルトンを
推定する。推定されたスケルトンに適当な初期値を与え生成された時系列データと推定
されたスケルトンの偏導関数を用いてリヤプノフ指数を推定する。非線形自己回帰モデ
ルにφ-mixing や強定常を仮定し、提案した推定量の一致性を証明した