平成21990)年度 共同研究実施報告書

 

課題番号

2−共研−70

専門分類

7

研究課題名

母体血中ホルモン値による胎児各種異常の出生前診断のための多次元グラフ解析システムの研究

フリガナ

代表者氏名

ヤナイハラ タクミ

矢内原 巧

ローマ字

所属機関

昭和大学

所属部局

医学部

職  名

教授

所在地

TEL

FAX

E-mail

URL

配分経費

研究費

0千円

旅 費

0千円

研究参加者数

7 人

 

 

 

研究目的と成果(経過)の概要

母体末梢血中の各種ホルモンを測定し,多変量解析を用いて,妊娠中の胎児の各種異常を出生前に診断する方法を,矢内原他が研究してきた。この診断法は画期的なものであり,広範な利用が期待されるものであるが,方法の分かりにくさが,臨床の場への迅速な普及を妨げている。その解決法は,分析或いは診断の流れを視覚化し高度の統計知識をもたない専門医でも理解できるものにすることである。そのために,現在までの医学的な知見をもとに,新しい多次元グラフ解析法を開発し,診断のシステム化に応用することを目的とする。


母体末梢血中の各種ホルモンを測定し,多変量解析を用いて,妊娠中の胎児の各種異常を出生前に診断する方法を,矢内原他が研究してきた。本法のより広範な臨床への応用の為には,分析或いは診断の流れを視覚化し高度の統計知識を持たない専門医でも理解できるものにすることである。そのために,新しい多次元グラフ解析法を開発し,診断のシステム化に応用することを目的とした。
今回は切迫流産例の内分泌環境を知るため妊娠4週から8週までの各週で正常例(N)予後良好例(A)予後不良例(B)の3群に関しNとA,AとB間で多変量解析を行った。変数としては超音波計測値,及び卵巣性,絨毛性の8種の血中ホルモン値を用いた。主成分分析により2群を分ける要因を分析し更に判別分析を行った。この結果NA及びAB間に内分泌環境の違いが認められた。この結果をより視覚化する目的で馬場の開発した星座グラフの手法を試みたところ,各2群をカラーグラフで分け更にその過程をラインで現す事ができた。


 

当該研究に関する情報源(論文発表、学会発表、プレプリント、ホームページ等)

この結果は第15回産婦人科栄養・代謝研究会で発表する予定である。


研究会を開催した場合は、テーマ・日時・場所・参加者数を記入してください。

共同研究としては以下のことを行う予定である。
(1)医学的な情報を統計的な情報に変換する。
(2)データを分類・整理,吟味し,解析のための基礎資料を整備する。
(3)それらに基づいて,診断に有用な多次元グラフ解析法を開発し,新しい診断システムを構築する。
(4)このシステムの適用の有効性を昭和大学において検討しさらにより良いものに改良する。
これらのことを行うには,矢内原他(昭和大)と多次元グラフに関する知見を有する馬場(統数研)および医学的な診断における多変量解析についての知識を有する杉山(中央大),鈴木(東海大),佐藤(広島大)の協力を必要とする。


 

研究参加者一覧

氏名

所属機関

斎藤 裕

昭和大学

佐藤 学

広島大学

杉山 高一

中央大学

鈴木 和幸

電気通信大学

馬場 康維

統計数理研究所

平戸 久美子

昭和大学