平成152003)年度 一般研究1実施報告書

 

課題番号

15−共研−1027

専門分類

7

研究課題名

疾病集積性検定法の開発とシミュレーションに基づく評価

フリガナ

代表者氏名

タカハシ クニヒコ

高橋 邦彦

ローマ字

Takahashi Kunihiko

所属機関

厚生労働省

所属部局

国立保健医療科学院 技術評価部

職  名

統計高度利用室・研究員

所在地

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E-mail

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研究目的と成果(経過)の概要

研究目的:
 医学や生物統計学の分野では、近年、疾病集積性の問題が着目されて来ている。疾病集積性の検定
においてKulldorffの方法(1997)がよく利用されているが、この方法では集積地域(クラスター)の
形状によってはうまく検出されない場合がある。そこで、最近ではその改良のために方法について世界
的に研究が行われてきている。本研究ではまずKulldorffの方法を改良し様々な形の集積地域を同定出
来る検定法を導出することを目的とする。さらに、集積性の検定法では、一般的な検出力に相当する評
価のための指標が確立されていない。そのような新たな評価指標を提案することも研究目的とする。
成果(経過)の概要
 まず、Kulldorffの方法を改良する形でFlexible scan statisticという統計量を提案し、いくつかの場合
にシミュレーションを行い、Kulldorffの方法と比較を行った。その際、従来の検出力とともに、新たに我々
が提案する検出の様子を表す分布を用いて比較を行った。この結果は2003年度統計連合大会で発表し、さら
に現在研究論文として投稿中である。
 さらに、スーパーコンピューターを利用し、数多くの場合の検討を行った。その後、時間軸も含めた空間上
での集積性検定の方法について研究をすすめ、またそれと同時に新たな評価指標についても研究をすすめてい
る。評価指標について更に新たな指標を考案した。現在、この指標についてシミュレーションを行い、その考
察を行う段階である。この内容については2004年のJoint Statistical Meetingで発表する予定である。
平成16年度も継続して共同利用の採用を受けたので、更に多くのシミュレーションを行い、成果をまとめら
れるよう研究を継続中である。

 

当該研究に関する情報源(論文発表、学会発表、プレプリント、ホームページ等)

高橋邦彦,丹後俊郎.ある平面領域同定の検定とその評価法:疾病集積性を例として.2003年度 統
計関連学会 連合大会;2003.9.2-5;名城大学.講演報告集p.269-270。
高橋邦彦.疾病の地域集積性とデータ解析.科学研究費シンポジウム「データ解析のための統計科
学理論」;2003.12.10-12;横浜市立大学.(シンポジウム)

研究会を開催した場合は、テーマ・日時・場所・参加者数を記入してください。

 

研究参加者一覧

氏名

所属機関

丹後 俊郎

厚生労働省

山岡 和枝

厚生労働省