平成232011)年度 共同研究集会実施報告書

 

課題番号

23−共研−5007

分野分類

統計数理研究所内分野分類

f

主要研究分野分類

2

研究課題名

データ解析環境Rの整備と利用

フリガナ

代表者氏名

ナカタニ トモアキ

中谷 朋昭

ローマ字

Nakatani Tomoaki

所属機関

北海道大学

所属部局

大学院農学研究院

職  名

助教

配分経費

研究費

40千円

旅 費

597千円

研究参加者数

13 人

 

 

研究目的と成果(経過)の概要

 データ解析環境Rは統計計算とグラフィックスのための言語・環境である。Rは多様な統計手法(線形・非線形モデル、古典的統計検定、時系列解析、判別分析、クラスタリング、その他)とグラフィックスを提供するオープンソースなソフトウエアとして、広汎な拡張が可能である。近年では、医学、薬学、疫学、統計学、経済学、言語学、地理学、心理学など多分野にわたって、世界中で利用されるようになってきており、Rは何らかのデータを扱う人々の世界的な共通言語であるといえる。
 日本においても、フリーでオープンソースであること、頻繁なバージョンアップやアドオンパッケージによって最新の統計手法がいち早く実装されること、オペレーティングシステムに依存しないマルチプラットフォームであること、日本語環境で利用できること、などの理由によって急速に普及が進んでいる。ここ数年間で、Rに関連した日本語の学術書・技術解説書の出版は30点以上に及ぶことからも、日本におけるRの普及状況をうかがい知ることができる。
 以上のように、Rによるデータ解析・統計学の利用の裾野が広がっている現在、多くのユーザーが集い、意見交換や情報を共有する物理的な機会を継続的に提供することは重要である。
 本研究の参加メンバーは、いずれも日本を代表するRユーザーであり、Rを利用した教育活動、研究活動、業務活動に多くの実績を残している。本研究は、これらの成果や実践活動における工夫を多くのRユーザーに広く開示し、それに関する議論をおこなう物理的な場を提供することを目的とした。
 本年度は、2011年11月26日から3日間にわたって開催され、海外からのスピーカー2名によるチュートリアル講演および国内ユーザー10名による実践的な成果の報告が行われた。本年度の研究集会もインターネット上のRコミュニティで注目を集め、同時開催した地域Rコミュニティの全国集会Japan.Rとあわせて、3日間でのべ100名以上の聴衆を得た。このほか、インターネットによる研究集会のライブ中継を試験的におこなったところ、重複を除いて約90名が視聴する結果となった。したがって、本研究集会は、Rに関する先端的な活用事例を周知する場としての役割だけでなく、異分野のRユーザーが新たに交流を始める場としても重要な役割を果たすなど、その目的を十分達成していると考える。

 

当該研究に関する情報源(論文発表、学会発表、プレプリント、ホームページ等)

R関連の日本語情報源であるRjpWiki<http://www.okada.jp.org/RWiki/>における研究集会開催告知
<http://goo.gl/9IHvA>

Ustream による研究報告のインターネット生中継
<http://ustre.am/Fcwg>

 

研究参加者一覧

氏名

所属機関

合崎 英男

農村工学研究所

石田 基広

徳島大学

岡本 博史

北海道大学

奥村 晴彦

三重大学

オルドフォード ウェイン

University of Waterloo

鈴木 由美子

北里大学

鈴木 了太

株式会社 ef-prime

谷村 晋

兵庫医科大学

中澤 港

神戸大学

中野 純司

統計数理研究所

樋口 千洋

大日本住友製薬株式会社

牧山 文彦

データキューブ株式会社