平成162004)年度 一般研究2実施報告書

 

課題番号

16−共研−2021

専門分類

3

研究課題名

状態空間モデルのマーケティングデータへの応用

フリガナ

代表者氏名

ヤマグチ ルイ

山口 類

ローマ字

Yamaguchi Rui

所属機関

九州大学

所属部局

大学院数理学研究院

職  名

COE研究員

所在地

TEL

FAX

E-mail

URL

配分経費

研究費

0千円

旅 費

0千円

研究参加者数

2 人

 

 

 

研究目的と成果(経過)の概要

本共同研究の目的は、課題名に掲げたように、状態空間モデルのマーケティングデータへの応用であ
る。特に、マイクロマーケティングと呼ばれる分野への応用を主目的としている。マイクロマーケティ
ングとは、従来型の消費者を一括りにして単一の対応を図るマスマーケティングに対して、POSデータ
や、各個別の店舗の売上や、詳細なセンサスデータなどを用いて、消費者を特徴に応じて複数のグルー
プに分け、その集団ごとに、細かく対応を変化させる戦略を伴うマーケティングのことである。
 当研究の元となる研究は平成15年度より開始され、主に飲食店の売上時系列データを用いて研究を
進めてきている。飲食店の売上は曜日、祝日、天気、近所での催し物への人出等の様々な要因左右され
る。故に売上を上述のような要因に分解するモデルを構成し、そのモデルに基づいて将来の売上を精度
良く予測することは、仕入れ、人員配置、新規出店計画等、様々なレベルにおける経営戦略立案上有益
であることは想像に難くない。当期までに、初期解析として、構成したモデルを実際に、ある大規模催
事場及びビジネス街に隣接した飲食店の二年間分の日々売り上げデータに応用し、その結果さまざまな
新知見を得てきた。当期は、本課題を共同研究に申請するにあたり、目的に、更なるモデルの改良、新
知見の抽出およびマイクロマーケティング分野への応用をあげた。また作成したソフトウェアの商品化
もしくは公開も目的にあげていた。
 研究の経過を以下に述べる。当期は、上記の目的を達成するために、九州大学に勤務する山口が、配
分された研究員等旅費を用い、研究所を訪問し、もう一人の研究分担者である樋口教授と議論を重ねる
ことで研究を進めた。特に、非線形回帰モデルとの比較を通じモデルの評価および改良を目指した。そ
して、それらの成果を、国内外の学会で発表し、論文の出版へ結びつけた。また更に、現在二報の論文
を投稿中である。一方、もう一つの目的である、ソフトウェアの公開または商品化に関しては未だ実現
していない。この点に関しては、当研究の継続課題が平成17年度も共同研究に採択されているので、
研究を進めると共に当目的の実現も図っていく予定である。

 

当該研究に関する情報源(論文発表、学会発表、プレプリント、ホームページ等)

・ 論文
山口類,土屋映子,樋口知之,状態空間モデルを用いた飲食店売上の要因分解,
オペレーションズ・リサーチ,Vol.49,No.5,pp.52-60,2004年
・ 学会発表:(平成16年度のみ掲載)
第20回ファジィシステムシンポジウム、北九州(北九州学術研究都市)、2004年6月
状態空間モデルによる飲食店日次売上時系列の要因分解
山口類、土屋映子、樋口知之
Marketing Science Conference 2004,ロッテルダム、2004年6月
State space modeling approach for decomposition of daily sales of a
restaurant into multi factors,
Yamaguchi,R.,E.Tsuchiya,T.Higuchi
International Symposium on The Art of Statistical Metaware,統計数理研究所、
2005年3月
Comparison of predictive abilities between state space and radial basis
function network models for daily sales of a restaurant
Yamaguchi,R.,and T.Higuchi
・ ホームページ等
マイクロマーケティングへの統計科学からの接近
http://tswww.ism.ac.jp/higuchi/market/index.htm
山口個人のホームページ内
http://www.math.kyushu-u.ac.jp/~ruiy/theme.html

研究会を開催した場合は、テーマ・日時・場所・参加者数を記入してください。

 

研究参加者一覧

氏名

所属機関

樋口 知之

統計数理研究所