平成292017)年度 重点型研究実施報告書

 

課題番号

29−共研−4102

分野分類

統計数理研究所内分野分類

d

主要研究分野分類

3

研究課題名

リスク認知を支える証拠としてのデータと解析

重点テーマ

リスク科学のフロンティア

フリガナ

代表者氏名

ヤナギモト タケミ

柳本 武美

ローマ字

Yanagimoto Takemi

所属機関

統計数理研究所

所属部局

名誉教授

職  名

名誉教授

配分経費

研究費

40千円

旅 費

77千円

研究参加者数

6 人

 

研究目的と成果(経過)の概要

本研究の最終年度であり、統計学の専門家と環境・食品・災害の分野の研究者による共同作業による挑戦として企画した。研究班としては小規模であるので、参加研究者の独立した研究を基盤として、その調整的な機能を予定した。前年度に引き続いて、リスクゼロの扱いに重点をおいた。

安全であるか否かにを議論するよりも、安全さを量として評価する方が実際的であることは広く受け入れている。その中で高次の多項分布・ポアソン分布についての精密な推論技法が求められる。観測度数がゼロの扱いが中心になるからである。特に注目したことは参照事前密度を仮定したときのベイズ手法の適用である。

もう一つの視点はかなり異なる展開を見せた。Hockey stick 回帰分析は毒性学・環境規準などのリスクアセスメントとして利用されている。このモデルは必ずしも現実的に妥当ではない。しかし、人間の感性には訴えやすいモデルである。この事実は人の認知過程に即応したモデルである可能性がある。この視点は、深層学習のモデルの中で現れる活性関数のより深い理解に係わっていると見込まれる。別の活性化関数は標準錐の頂点にではなく内点上の分布である多項分布への還元促している。人間の認知機能と解析的方法の接点を垣間見ることができる。

 

当該研究に関する情報源(論文発表、学会発表、プレプリント、ホームページ等)

1) 柳本武美 事前分布の利用と受容を促す工夫 
2017年度統計関連学会連合大会企画セッション「ベイズ統計学の発展と新展開」名古屋 南山大学 2017年9月5日

2) T. Ogura and T. Yanagimoto, 'Performance of Bayesian credible interval for binomial proportion using logit transformation' IASC-ARS/NZSA 2017
13th Decembe 2017.

3) リスク認知と深層学習:活性化関数から 科研費研究集会「災害と時空間統計」京都 (日本) 2018年1月27日 同志社大学

多項出現確率の推定法としての深層学習分類器、科研費研究集会「高次元複雑データの理論と方法論」筑波 2017年12月1日、筑波大学

研究会を開催した場合は、テーマ・日時・場所・参加者数を記入してください。

「リスク認知を支える証拠としてのデータと解析」

1)平成29年 9月 15日 16日 統計数理研究所4名
2)平成30年 2月 19日 20日 統計数理研究所4名

 

研究参加者一覧

氏名

所属機関

大西 俊郎

九州大学

小椋 透

三重大学

田畑 耕治

東京理科大学

林 岳彦

国立環境研究所