平成71995)年度 共同研究A実施報告書

 

課題番号

7−共研−14

専門分類

1

研究課題名

ランダム行列の分布の近似

フリガナ

代表者氏名

マツナワ タダシ

松縄 規

ローマ字

所属機関

統計数理研究所

所属部局

統計基礎研究系

職  名

教授

所在地

TEL

FAX

E-mail

URL

配分経費

研究費

0千円

旅 費

0千円

研究参加者数

2 人

 

 

 

研究目的と成果(経過)の概要

ランダム行列の分布の近似について、従来の方法と接近方法を異にする基礎的な理論の研究をすることを目的とする。この準備としてランダム行列の分布について特定化の観点から研究を行ってきたが、その結果よく知られた多変量分布の多くが組織的に誘導出来ることを示せた。本研究ではそれを踏まえて、得られた分布の近似について考える。


本研究は多変量解析の基本的なモデル分布の近さを一般的に評価しようとする理論上の必要性からの基本的な試みである。多変量解析に於ける従来の個別の近似問題および方法と違った統一的な近似を与えることにより、関連分野に共通な理論の基礎を考究した。
ランダム行列の分布の理論は統計学と物理学に於て独自に発展して来た。これに関連して、第一段階として、ランダム行列の分布について、実ランダム行列および複素ランダム行列の統計基礎モデルの構築の研究を拡張した。その結果よく知られた多変量分布の多くが組織的に誘導出来ることを示せた。
次に、本研究では上述のようにして得られた分布間の近似について考えた。多変量の統計モデルの近似に従来あまり利用されていないK-L情報量に基づく一様近似について考えた。このため、おもに一変量分布の近似に関してK-L情報量を利用して研究代表者が開発してきた、確率分布間の変動距離を二重不等式によって上下から評価する近似方法を多変量分布の場合に拡張し、定量的な近似の評価の可能性と改善を示した。
ランダム行列の分布の近似についての上記の研究は、従来の方法と接近方法をかなり異にするものであり、関連する多変量の近似問題に有効な方法となることが期待される。


 

当該研究に関する情報源(論文発表、学会発表、プレプリント、ホームページ等)

・Tsuchiya,T.and Matsunawa,T.(1995):Multivariate nonparametric statistical
uncertainty relation and statistical fundamental equations for complex random
matrices,Research Memorandum No.565,The Institute of Statistical Mathematics.
・Tsuchiya,T.and Matsumawa,T.(1995):Specification of nonparametric models for
observations in multivariate real case,Research Memorandum No.565,The Institute
of Statistical Mathematics.
土屋高宏、松縄 規:多変量モデルの特定化,

研究会を開催した場合は、テーマ・日時・場所・参加者数を記入してください。

ランダム行列の分布の理論は統計学と物理学に於いて独自に発展してきた。分布の近似についても様々な方法が提案されてきた。本研究では従来あまり利用されていない情報量に基づく一様近似について、研究代表者が開発してきた方法を多変量分布の場合に拡張して、定量的な近似の評価を考慮して行う。本研究は統計学の基本的なモデル分布の近さを一般的に評価しようとする理論上の必要性からの基本的な試みである。多変量解析に於ける従来の個別の近似問題および方法と違った統一的な近似を与えることにより、関連分野に共通な理論の基礎を固めたい。


 

研究参加者一覧

氏名

所属機関

土屋 高宏

総合研究大学大学院大学大学院