平成212009)年度 一般研究2実施報告書

 

課題番号

21−共研−2009

分野分類

統計数理研究所内分野分類

a

主要研究分野分類

4

研究課題名

放射線帯粒子変化の予測に関する基礎研究

フリガナ

代表者氏名

ミヨシヨシズミ

三好由純

ローマ字

Yoshizumi Miyoshi

所属機関

名古屋大学

所属部局

太陽地球環境研究所

職  名

助教

配分経費

研究費

0千円

旅 費

0千円

研究参加者数

2 人

 

 

研究目的と成果(経過)の概要

地球磁気圏の放射線帯の高エネルギー電子は、帯電などにより気象・放送衛星などの実用衛星の運用に大きな障害を与える。そのため、放射線帯電子の挙動の把握は、現在の宇宙天気研究の重要な課題である。放射線帯のダイナミクスを表現するためのひとつの方法として、radial diffusionモデルが提案されている。これは、高エネルギー電子の位相空間密度の変化をFokker-Planck方程式で記述するアプローチで、放射線帯の大規模な空間構造をよく再現できるモデルであることが知られている。
本共同研究では、これまで統計数理研究所・上野助教との共同研究において開発してきた放射線帯のデータ同化コードと、実時間で公開されている静止軌道の放射線帯電子のデータを用いたデータ同化を行い、放射線帯電子の変化をより正確に予測できるシステムの構築を目指す。今年度は、準実時間の計算に耐えるロバストなシステムの検討を進め、準実時間予報オペレーションが可能なシステムの設計を進めた。
準実時間でのデータ同化にもとづく予報オペレーションを可能にするためには、準実時間でradial diffusionモデルを動かす必要がある。本研究では、まず実時間の太陽風シミュレーションデータを用いて境界条件や拡散係数の値を導出し、Fokker-Plank方程式を計算するデータ駆動型のシミュレーションを準実時間で計算することを可能にした。次に、データ同化のためのデータとして静止軌道に展開されているGOES衛星の2MeVの電子データの値を用いることを想定し、このGOES衛星のデータを自動的に取得し、データ同化のためのインプットとして利用できるシステムを構築した。現在、上記の放射線帯準実時間シミュレーションにGOESデータを組み込み、準実時間データ同化のためのシステムを開発中である。

 

当該研究に関する情報源(論文発表、学会発表、プレプリント、ホームページ等)

 今年度はシステムの要素開発を中心に行ったため、論文や学会発表については行っていない。
準実時間の放射線帯シミュレーションの計算については、現在テスト計算を続けており、これまでのところ安定して計算を行っている。

研究会を開催した場合は、テーマ・日時・場所・参加者数を記入してください。


 

研究参加者一覧

氏名

所属機関

上野 玄太

統計数理研究所