平成282016)年度 重点型研究実施報告書

 

課題番号

28−共研−4302

分野分類

統計数理研究所内分野分類

d

主要研究分野分類

8

研究課題名

リスク認知を支える証拠としてのデータと解析

重点テーマ

リスク科学のフロンティア

フリガナ

代表者氏名

ヤナギモト タケミ

柳本 武美

ローマ字

Yanagimoto Takemi

所属機関

統計数理研究所

所属部局

名誉教授

職  名

名誉教授

配分経費

研究費

40千円

旅 費

62千円

研究参加者数

5 人

 

研究目的と成果(経過)の概要

本研究では、統計学の専門家と環境・食品・災害の分野の研究者による共同作業として、学際的研究テーマである本研究課題に挑戦することにあった。研究班としては小規模であるので、参加研究者の独立した研究を基盤として、その調整的な機能を予定した。本テーマは多くの研究者が広く薄く関心を抱いているので、分担者以外からの部分的参加をみこんだ。 心理学・社会学を基礎にした科学哲学的方法とは異なり、リスクの今日に必要な証拠に焦点を当てる。規範的な方法ではなくて経験的な方法によると、証拠の入手とその評価が中心になる。本研究の中心は証拠は結局は統計データであることの確認であった。

リスクの評価モデルとして、完全な安全性をどのように見なすかが一つの重要な視点になる。安全を唄い上げるよりも、全体としての被害を小さくすることが目的だからである。この観点から、2項分布を仮定して観測数がゼロのときに出現確率ろゼロとは見なさい視点の重要性を指摘して、その技術的発展を試みた。結果はオーストラリアで発表すると共に、リサーチメモとして登録した。

別の一つは、災害研究者とのコラボである。実施疫学を想定して発生が認められないと安全、1例でも認められると危険とする、素朴で危うい視点の脱却を目指した。同志社大学で開催された研究会では、代表者が「突発事象の初発例を評価するため予測的視点」の発表を行い、分担者の小椋も研究発表を行った。

 

当該研究に関する情報源(論文発表、学会発表、プレプリント、ホームページ等)

1) T. Yanagimoto and T. Ogura, "Dual Bayesian Estimators of the Incidence Probability of a Rare Event", 23rd SSA, Realm Hotel, Canberra, December 08, 2016,
2) 柳本武美、「突発事象の初発例を評価するため予測的視点」科研費集会「災害と時空間統計」、京都 同志社大学、平成29年1月28日 
3) 小椋透、「主成分正準相関分析を用いた気候モデルによる地域気候変化予測」科研費集会「災害と時空間統計」、京都 同志社大学、平成29年1月28日
4) T. Yanagimoto and T. Ogura "Estimation of the Binomial Incidence Probability Through the e-Optimum Predictor with its Extensions", ISM-Research Memorandum 1203. March 2017.

研究会を開催した場合は、テーマ・日時・場所・参加者数を記入してください。


研究打ち合わせ;12月 16-17日・統計数理研究所・「観察がなかったときの出現確率の推測」・3名 

 

研究参加者一覧

氏名

所属機関

大西 俊郎

九州大学

小椋 透

三重大学

林 岳彦

国立環境研究所