平成142002)年度 一般研究2実施報告書

 

課題番号

14−共研−2026

専門分類

5

研究課題名

不完全情報下における制御系設計に関する研究

フリガナ

代表者氏名

ミヤサト ヨシヒコ

宮里 義彦

ローマ字

Yoshihiko Miyasato

所属機関

統計数理研究所

所属部局

予測制御研究系

職  名

助教授

所在地

TEL

FAX

E-mail

URL

配分経費

研究費

0千円

旅 費

0千円

研究参加者数

20 人

 

 

 

研究目的と成果(経過)の概要

自動制御系の設計にあたっては、構築するモデルの種類や精度により、適用可能な制御手法の
種類や達成できる性能が規定される。この十数年ほど、制御科学の分野でその問題に対して多く
の関心が集まり、さまざまな研究成果が得られた。中でも H∞制御に代表されるロバスト制御理
論の成果は、モデル誤差と制御系の安定性や制御性能との関係を厳密に規定した点で、制御科学
の発展に多大の貢献をしたが、同時に制御系設計を考慮したモデリング手法の開発という新たな
課題ももたらした。またバックステッピングやフォワーディングなどの手法は、厳密な線形化に
代わる非線形制御または適応制御の新たな手法として広く適用できることが明らかになりつつあ
るが、それと同時に、これまで以上の精度での非線形構造の同定という問題も生み出した。制御
におけるモデリングとは、それ自身が問題の終端ではなく、それをもとに構成された制御系の総
合性能を規定する一要素としての意味合いを持つ。それに由来して、制御とモデリングを含めた
統合化設計(逐次設計、ウィンドサーファ・アルゴリズム、同時設計)が数多く提唱されているが、
制御に必要なモデリングとそれに含まれる誤差の厳密な解析という問題が未解決のため、大きな
成果は得られていない。
 このような制御科学の新たな局面を見据えながら、これまで以上に緊密な関係にあるモデリン
グと制御系設計の問題に対して、統計科学と制御科学の分野で得られた成果をもとに、制御系の
新たな統合化設計理論を構築するのが本共同研究の目的である。ロバスト制御を考慮したロバス
ト同定、モデリングと制御系設計を逐次的に行うウィンドサーファ・アルゴリズム、非線形構造を
積極的に取り入れたバックステッピングやフォワーディングに基づく非線形適応制御、逆最適制
御理論と非線形素子を併用した知能化適応制御、統計的学習理論を応用したシステム同定と確率
的適応制御などの問題に対して、これまでの研究では無かった制御科学と融合した統計科学の視
点を含めることにより、当該問題の解決のための新たなブレイクスルーを追求していく。
 今年度は研究所内で研究集会は開催しなかったが、各種学会、シンポジウムにおける次のよう
な研究発表を通じて、研究討論を行った(○は共同研究員)。

 

当該研究に関する情報源(論文発表、学会発表、プレプリント、ホームページ等)

学会講演会名:(社)計測自動制御学会・制御部門大会(2002年5月)
研究発表
二乗和を用いたリアプノフ及びストレージ関数の構成
大阪大学 ○小原 敦美,玉井 淳平
ビジュアルフィードバックアプローチによる自動操縦制御系の設計?ラジコンカーによるシステ
ム同定と制御実験?
宇都宮大学 吉井 正和,新井 康人,車谷 親哉,○足立 修一,本田技術研究所 藤原 幸広
入出力観測雑音がある場合のバイアス補償最小2乗法によるパラメータ推定について
九州大学 池之上 正人,金 春植,楊 子江,○和田 清
システム同定理論の実用化に向けて?システム同定装置の製作?
宇都宮大学 ○足立 修一,大岩 博之
LPVシステムの適応型ゲインスケジューリングH∞制御 ?非線形補償によるロバスト化?
統計数理研究所 ○宮里 義彦
学会講演会名:計測自動制御学会・制御理論シンポジウム(2002年10月)
研究発表
サンプル値系の適応観測器
徳島大学 ○池田建司
非共通解を用いた繰り返し型混合H2繰り返し型混合H2/H∞ノルム制御器の設計
九州工業大学 上泰、○延山英沢

研究会を開催した場合は、テーマ・日時・場所・参加者数を記入してください。

 

研究参加者一覧

氏名

所属機関

足立 修一

宇都宮大学

荒畑 恵美子

統計数理研究所

池田 建司

徳島大学

石黒 真木夫

統計数理研究所

伊藤 聡

統計数理研究所

大久保 重範

山形大学

小原 敦美

大阪大学

北川 源四郎

統計数理研究所

北森 俊行

法政大学

新 誠一

東京大学

陶山 貢一

東京商船大学

瀬部 昇

九州工業大学

田村 義保

統計数理研究所

津村 幸治

東京大学

中野 和司

電気通信大学

延山 英沢

九州工業大学

半場 滋

琉球大学

樋口 知之

統計数理研究所

和田 清

九州大学