平成122000)年度 一般研究2実施報告書

 

課題番号

12−共研−2043

専門分類

7

研究課題名

真核細胞におけるリボソーム蛋白種の多様化と進化

フリガナ

代表者氏名

ワダ アキラ

和田 明

ローマ字

Wada, Akira

所属機関

大阪医科大学

所属部局

医学部

職  名

助教授

所在地

TEL

FAX

E-mail

URL

配分経費

研究費

0千円

旅 費

0千円

研究参加者数

9 人

 

 

 

研究目的と成果(経過)の概要

本研究の目的は、「真核生物の進化の比較的早い時期に分岐したと考えられる原生生物群のリボソーム構成
成分の生化学的解析を行ない、その結果得られたデータを、統計学的・分子進化学的手法を用いて解析するこ
とにより、真核細胞におけるリボソーム構成成分の多様性とそれらの進化過程を解明する」ことである。

 本年度は、ミトコンドリアをもたない原生生物Giardia lamblia,Trichomonas vaginalis,Entamoeba histolytica,
および Mastigamoeba balamuthi を対象としリボソーム構成成分の生化学的分析を行なった。ただし後2者に
ついては、条件検討を中心とする予備的な実験のみを行なった。これらの生物種を大量培養し、リボソームを
精製後、ショ糖密度勾配超遠心法により、リボソーム沈降係数の分析を行なった。さらに蛋白成分を精製し、
2次元電気泳動により個々の蛋白質を分離し、パターンを他の真核生物(ラット)や原核生物(大腸菌)のそれと
比較した。また、G.lamblia および T.vaginalis の一部の蛋白種については、N末端のアミノ酸配列解析を行
なった。さらに、T.vaginalis の4つの蛋白種(S14,S15a,L5,L8)についてそれらの遺伝子の単離と配列解析を
行った。一方、G.lamblia のゲノムプロジェクトデータベースを検索し、全てのリボソーム蛋白種のデータを
取得して他の生物種の相同配列データとともにアライメントした。これらの他、2次元電気泳動のパターン間
相互比較のための定量化方法についても検討を行なった。

 

当該研究に関する情報源(論文発表、学会発表、プレプリント、ホームページ等)

Shirakura,T.,Maki,Y.,Yoshida,H.,Arisue,N.,Wada,A.,Sanchez,L.B.,Nakamura,F.,Muller,M.and Hashi
moto,T.(2001)Characterization of the ribosomal proteins of the amitochondriate protist,Giardia lamblia.
Molecular and Biochemical Parasitology,112,153-156.
有末伸子,牧泰史,吉田秀司,和田明,橋本哲男(2000a)ミトコンドリアをもたない原虫 Giardia lamblia と
Trchomonas vaginalis のリボソームの性質とその構成蛋白の分析。第69回日本寄生虫学会大会,松江,講演
要旨集 p56。
有末伸子,牧泰史,吉田秀司,和田明,橋本哲男(2000b)ミトコンドリアをもたない真核生物 Mastigamoeba
balamuthi のリボソーム構成成分の解析。第23回日本分子生物学会年会,神戸,講演要旨集 p656。
有末伸子,牧泰史,吉田秀司,和田明,橋本哲男(2001)ミトコンドリアをもたない原虫 Trichomonas vaginalis
のリボソームの性質とその構成蛋白の分析。第70回日本寄生虫学会大会,山形,講演要旨集 p99。
 全リボソーム蛋白種を対象としたアライメントの作業も継続的に行なっており、00年9月の時点で解析デー
タの更新を行った(http://www.ism.ac.jp/~hasimoto/rp.html)。現在、改訂の作業を行なっている。

研究会を開催した場合は、テーマ・日時・場所・参加者数を記入してください。

 

研究参加者一覧

氏名

所属機関

有末 伸子

総合研究大学院大学

内田 雅之

九州大学

Sanchez Lidya B.

ロックフェラー大学

白倉 哲郎

昭和大学

橋本 哲男

統計数理研究所

牧 泰史

大阪医科大学

Muller Miklos

ロックフェラー大学

吉田 秀司

大阪医科大学