平成132001)年度 一般研究1実施報告書

 

課題番号

13−共研−1030

専門分類

4

研究課題名

日本人の喫茶習俗の変化の解析

フリガナ

代表者氏名

ハヤカワ フミコ

早川 史子

ローマ字

Hayakawa Fumiko

所属機関

滋賀県立大学

所属部局

人間文化学部

職  名

教授

所在地

TEL

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研究目的と成果(経過)の概要

研究テーマ『日本人の喫茶習俗の変化の解析』について次のようなことを明らかにした。
日本人で庶民が茶を飲むようになったのは江戸時代になって,煎茶が中国より伝来してからである。
以来,日本人にとって,緑茶は日常不可欠な飲み物として定着した。しかし,近年,一家団欒,食生
活の変化,清涼飲料水の進出などによって飲み物の飲用状況に変化が見られるのではないかと推論し,
その実態を調べた。併せて団欒時,来客時の飲み物に対する意識調査の変化を調べた。調査対象は滋
賀県,阪神地区,鹿児島県,静岡県の女子学生および滋賀県の25-80才の女性合計2165人である。調
査時期は1998年11月下旬,2000年-2001年の6月下旬と11下旬であり,これらの結果を1988年に
同じ地域で行った,同様の調査結果とともに統計処理し,有意差検定を行った。その結果,滋賀県,
阪神地区,鹿児島県における女子学生では1988年と2000年では飲み物の飲用状況は変化しており,
緑茶に飲用率には大きな変化はないが,麦茶の飲用が増えたこと,牛乳やコーヒーの飲用は大きく減少し
た。一方,年令が高くなるに従って緑茶の飲用率は高かった。また,初夏は初冬に比べて麦茶の飲用
率が高かった。意識調査で明らかになったことは,団欒時の飲み物として,滋賀県,鹿児島県や静岡
県では緑茶に対するイメージが強いが,阪神地区では緑茶,紅茶,コーヒに差がなかった,来客時の飲み
物はして,鹿児島県,静岡県では緑茶に対するイメージは強く,滋賀県では緑茶,紅茶,コーヒに差がな
く,阪神地区では紅茶に対するイメージが強かった。1988年に比べて2000-2001年では団欒時や来客
時の飲み物として4地域とも緑茶に対するイメージは低下し,紅茶のイメージが強くなる傾向にあった。
しかし,年令が高くなるに従い,嗜好性,来客・団欒時など緑茶に対するイメージは強い。

 

当該研究に関する情報源(論文発表、学会発表、プレプリント、ホームページ等)

日本食生活学会に投稿中
日本栄養改善学会にて発表(2001年11月13-14日。沖縄)予定

研究会を開催した場合は、テーマ・日時・場所・参加者数を記入してください。

 

研究参加者一覧

氏名

所属機関

大石 邦枝

静岡県立大学

田村 義保

統計数理研究所