平成212009)年度 重点型研究実施報告書

 

課題番号

21−共研−4109

分野分類

統計数理研究所内分野分類

a

主要研究分野分類

3

研究課題名

ベイジアンモデリングによる生物群集の多種共存機構の解明

重点テーマ

フィールド生態学と統計数理

フリガナ

代表者氏名

ムラカミ マサシ

村上 正志

ローマ字

MURAKAMI Masashi

所属機関

千葉大学大学院

所属部局

理学研究科

職  名

准教授

配分経費

研究費

0千円

旅 費

0千円

研究参加者数

6 人

 

研究目的と成果(経過)の概要

群集生態学の主要なテーマは、自然界において多様な生物種がどのようなメカニズムによって共存しているのかを解明することである。生物群集共存機構として、古典的な理論研究から、生物群集においてそれぞれの種は独自のニッチを占有しており、競争能力と資源獲得能力のトレードオフにより多種共存が維持されるとするトレードオフ仮説が提唱されてきた。一方で、このような古典的なニッチ理論の予測に反して、熱帯雨林などでは生態的に類似した性質をもつ極めて多様な種が生物群集を形成していることが知られるようになり、種のニッチが本質的に同等であることにより種多様性が保たれるとする中立仮説が提唱された。
本研究では、様々な群集、特にその中でも、島嶼域におけるチョウ類群集の動態を環境要因と生活史特性を含めモデリングする階層ベイズモデルの開発を進め、多種共存機構と群集動態プロセスの解明を目的として、野外で得られたデータと、理論との融合を目指した。
本年度は、島嶼生態系、特に琉球列島のチョウ類群集を対象として、各チョウ類種が選好する、生息地環境を基本として、これに、各島の間の分散制限を組み込み、これらをベイズ統計の枠組みの中で群集構造までを組み立てるモデルの開発を進めた。成果の一部が生態学会で発表されている。また、その基本となる琉球列島のチョウ類群集構造についての記載的な論文を、現在、国際誌に投稿中である。

 

当該研究に関する情報源(論文発表、学会発表、プレプリント、ホームページ等)

日本生態学会・ポスター発表
 久保田康裕・平尾聡秀・村上正志「琉球諸島をモデルシステムとした蝶類群集の生態ニッチモデリング」

研究会を開催した場合は、テーマ・日時・場所・参加者数を記入してください。


 

研究参加者一覧

氏名

所属機関

皆藤 千穂

奈良女子大学

島谷 健一郎

統計数理研究所

平尾 聡秀

北海道大学

深谷 肇一

北海道大学

別所 和博

九州大学