平成252013)年度 一般研究2実施報告書

 

課題番号

25−共研−2016

分野分類

統計数理研究所内分野分類

a

主要研究分野分類

5

研究課題名

ガウス過程による音響情報処理の研究

フリガナ

代表者氏名

マツイ トモコ

松井 知子

ローマ字

Tomoko Matsui

所属機関

統計数理研究所

所属部局

モデリング研究系

職  名

教授

配分経費

研究費

40千円

旅 費

207千円

研究参加者数

5 人

 

 

研究目的と成果(経過)の概要

 音響データの回帰・分類問題をガウス過程を用いて処理する技術を確立することを目的とする。音響データは雑音を含み、時間的かつ空間的に分布し、それらの局所関係は容易には扱えず、高度に複雑である。カーネル関数を利用したガウス過程により対象問題をモデル化して、音響データの時空間を高次元空間に写像することにより、その複雑な関係を扱う。
 本研究では、具体的に頭部伝達関数(Head-Related Transfer Function, HRTF)の補間にガウス過程回帰を利用することを試みた。従来、HRTF の補間は線形補間や主成分分析 を用いた手法が用いられてきた。ここでは、HRTF を時空間(方位と時間)の関数と仮定し、その関数の時空間の関係をガウス過程回帰のカーネル関数により高次元へと写像しモデル化した。ダミーヘッド、および名古屋大学HRTFデータベース に収録されている110 人の被験者の頭部で収録されたHRTF を用いて従来法との比較実験を行い、HRTF の補間に関して本方法が有効であることを確認した。特に、補間間隔が広くなるにつれ、本方法の補間精度の方がより高いことを示した。しかし、補間間隔が最も狭い10度の場合では、おそらくHRTF の個人性の影響により従来法よりも低い精度であった。今後は被験者の身体特徴等を利用したHRTF の個人性を加味した手法への拡張を目指す。

 

当該研究に関する情報源(論文発表、学会発表、プレプリント、ホームページ等)

- Tatsuya Komatsu, Takanori Nishino, Gareth Peters, Tomoko Matsui, and Kazuya Takeda, "Modeling head-related transfer functions via spatial-temporal Gaussian process, " Proc. ICASSP 2013, AASP-P2.11, pp.301-305, 2013.

- 小松達也, 西野隆典, 松井知子, 武田一哉, "ガウス過程による頭部伝達関数の補間," 日本音響学会講演論文集, pp. 697-698, 2013.

研究会を開催した場合は、テーマ・日時・場所・参加者数を記入してください。

該当なし。

 

研究参加者一覧

氏名

所属機関

小松 達也

名古屋大学大学院

武田 一哉

名古屋大学

西野 隆典

三重大学

ピータース ギャレス

University College London