平成182006)年度 一般研究2実施報告書

 

課題番号

18−共研−2018

専門分類

3

研究課題名

経済時系列解析におけるモデル推定法の研究

フリガナ

代表者氏名

キョウ コウキ

姜 興起

ローマ字

Kyo, Koki

所属機関

帯広畜産大学

所属部局

畜産学部

職  名

教授

所在地

TEL

FAX

E-mail

URL

配分経費

研究費

50千円

旅 費

150千円

研究参加者数

3 人

 

 

 

研究目的と成果(経過)の概要

本共同研究の目的は次の通りである。(1)回帰分析の新しい方法の開発。従来の変数選択による回帰モデル推定選択の方法に代わって、直交変換によって独立成分化したモデルにおいて独立成分の取捨選択でモデルの推定選択を行う手法を提案する。また、開発した方法を経済成長の要因分析に適用する。(2)日本の地域経済の動態分析。都道府県レベルで見た地域経済は、技術進歩や社会経済変動などの共通な要因の影響を受ける一方、地方の自然条件や社会経済政策などの地域的要因の影響も受けている。したがって、物的資本、人的資本や技術進歩など変数の経済効果の地域特性に関する経済統計分析は非常に重要である。本研究では、都道府県別生産関数のベイズ型モデルを構築し、モンテカロル・フィルタなどの方法でモデルの推定選択を行う。また、構築したモデルを地域経済分析に適用する。(3)開発した方法を体系化し、応用範囲の拡大を図る。
本研究は平成17年より3年計画で行う進行中の課題である。平成18年度では、平成17年度の研究成果をもとに前述研究目的(1)の目標を達成した。そのうえ、前述研究目的(2)に関する基礎研究を行い、次の成果を得た。日本の都道府県における同時生産関数を構築し、それを地域経済分析に適用した。この研究では,目的変数に各都道府県の総生産を、説明変数に民間資本ストック、公的資本ストックおよび人的資本をとり、技術水準を状態変数として取り扱った。技術水準の変化に平滑化事前分布を導入し、各説明変数の弾力係数に無情報の事前分布を適用した。これによってベイズ型モデルの構築ができ、パラメータの推定はモンテカルロフィルタを用いた。また、得られたモデルを用いて日本の地域経済分析を行い、興味深い結果を得ている。これらの研究成果はフランスで開催されたベイズ法に関する国際会議MaxEnt2006などで報告しており、いまはよりよい推定方法と分析結果を得るために、推定方法のさらなる改善を試みている。

 

当該研究に関する情報源(論文発表、学会発表、プレプリント、ホームページ等)

(1) K. Kyo and H. Noda, Constrained coefficient component regression Analysis and its application, Journal of Japan Industrial Management Association, Vol.56, No.6, 2006.
(2) K. Kyo and H. Noda, Bayesian analysis of cross-prefectural production function with time varying structure in Japan, Proceedings of MaxEnt2006, American Institute of Physics, 2006.
(3) 姜 興起, 係数成分制約のアプローチに基づく回帰分析法の提案, Information, Vol.9, No.2, 2006.
(4) H. Noda and K. Kyo, Economic development and the environment: A macroeconomic perspective, International Symposium: Fields Crossing, Fusion and Development, Chinese Academy of Science and Engineering in Japan, 2006.
(5) 野田英雄・姜 興起,日本のTFP変動と都道府県別構造パラメータの統計分析,九州大学経済学部研究会,2006.

研究会を開催した場合は、テーマ・日時・場所・参加者数を記入してください。

 

研究参加者一覧

氏名

所属機関

北川 源四郎

統計数理研究所

野田 英雄

山形大学