平成61994)年度 共同研究A実施報告書

 

課題番号

6−共研−1

専門分類

1

研究課題名

変換された観測値に基づく形の統計的推測について

フリガナ

代表者氏名

フタツヤ マサオ

二ツ矢 昌夫

ローマ字

所属機関

弘前大学

所属部局

理工学部

職  名

助教授

所在地

TEL

FAX

E-mail

URL

配分経費

研究費

0千円

旅 費

0千円

研究参加者数

3 人

 

 

 

研究目的と成果(経過)の概要

平面上にn個の点が与えられているとする。各個体の観測値はこれらのn個の点に誤差が入り、変換(個体により異なる)されたものが与えられると仮定する。これらの観測値に基づき最初のn個の点の最小2乗推定値、最尤推定値を利用した、形の判別や識別の方法とその性質について研究することを目的とする。


平面上にm個の点がある.ただし,x座標値の和を0,y座標値の和を0,且つそれぞれの座標値の平方和を1とする.これらのm個の点のx座標,y座標にそれぞれ互いに独立な平均 0,分散σ2の同一分布に従う誤差が加えられたものがn組あるものとする.今,このn組にそれぞれ異なる相似変換(回転のパラメータをθi,縮尺のパラメータをai,平行移動のパラメータをbi,ci,i=1,2,・・・,nとし,これらのパラメータはいずれも未知とする)を施したものがデータとして得られると仮定する.これらのデータに基づき,最初のm個の点の座標値と,相似変換のパラメータの推定について前年度に引き続き研究した.
特に,今年度は最尤推定値の反復法による数値計算の収束性について検討した.結果は,実験的にはいつも収束し解を求めれるようであることがわかったが,理論的には多くの問題点がでてくるようである.また,推定量の性質について,シュミレーションをも用いながら検討した.
応用として,前年度集めた6種類の文字のデータを用いて,誰が筆者であるかを識別する方法を考え試みた.この方法についてはまだ少し検討が必要である.


 

当該研究に関する情報源(論文発表、学会発表、プレプリント、ホームページ等)

研究会を開催した場合は、テーマ・日時・場所・参加者数を記入してください。

前年度の研究において、われわれは相似変換のときに最小2乗推定値及び最尤推定値を求める方法を導いた。今年度の研究においてはこれらの推定値を利用して、種種の形を定め、新たに得られた観測値がどの種に属するかを判別、識別する方法を開発するとともに、その方法の性質についての研究を進める。
また、各個人によっていろいろなところに書かれた同一の文字よりその人の文字を推定によって定め、新たな文字が得られたときに書いた人を識別するという実際例を検討する。そのほかに、いろいろ似た形をもつ種類の識別、判別も試みる予定である。このために、多くの基礎的な文献及び資料を有する統計数理研究所との共同研究が必要である。


 

研究参加者一覧

氏名

所属機関

高橋 宏一

石巻専修大学

平野 勝臣

統計数理研究所