昭和631988)年度 共同研究実施報告書

 

課題番号

63−共研−7

専門分類

1

研究課題名

逆ガウス型分布及びその他の分布における事前情報を利用した統計的推測の研究

フリガナ

代表者氏名

イワセ コウセイ

岩瀬 晃盛

ローマ字

所属機関

広島大学

所属部局

工学部

職  名

教授

所在地

TEL

FAX

E-mail

URL

配分経費

研究費

0千円

旅 費

0千円

研究参加者数

2 人

 

 

 

研究目的と成果(経過)の概要

回帰分析に於いて,説明変数,従属変数共に負の値を取り得ない場合が多い。このとき,誤差分布として正規分布では無理がある場合があり,本研究では逆ガウス型分布などを想定する。又,事前情報として誤差のバラツキが説明変数に依存しないで,例えば既知,未知を問わず,変動係数が一定である場合などが考えられる。本研究では,この様な状況の下での未知母数の推定問題を数理統計学的に扱かうことにより解決しようとするものである。


逆ガウス型分布,正規分布共に変動係数Cを既知としたとき分布は不完備となる。
母平均の対数を未知母数θとしたとき,フィッシャー情報量〓と,補助統計量aが与えられたと云う条件の下での条件付情報量〓とを両者の場合について定式化した。尤度関数をl(θ),θの最尤推定量を〓,標本の大きさをnとしたとき,〓,〓および〓について,次の関係を示した。
逆ガウス型分布の場合
1)〓ならば十分大きなnに対して
〓,
2)〓ならば任意のnに対して
〓,
3)a≧1,C>0且つ十分大きなnに対して
〓,
正規分布の場合,
1)〓,〓および十分大きなnに対して〓,
2)〓のとき〓,
3)〓および十分大きなnに対して〓。
但し,正規分布の場合,母平均が正と云う条件が付けられている。
以上の如く,最尤推定量に含まれない情報は尤度関数の母数に関する2回微分で部分的に回復することを,具体的な分布関数の下で例示された。


 

当該研究に関する情報源(論文発表、学会発表、プレプリント、ホームページ等)

K.Hirano and K.Iwase,Conditional information for an inverse Gaussian distribution with known coefficient of variation.Ann.Inst.Statist.Math.(to appear)


研究会を開催した場合は、テーマ・日時・場所・参加者数を記入してください。

事前情報を利用して正規分布での推定問題は統計数理研究所の平野勝臣の研究成果が注目される。方法論として平野の研究成果をふまえつつ,共同研究を行なうことにより,正規分布のみならず,逆ガウス型分布,可能ならばその他の有用な分布について,前記研究目的にむかって研究の実施を行なうものである。本研究の実施では,逆ガウス型分布以外の有用な分布に関する知見が必要であるばかりでなく,その解決のための方法論としてのいくつかの基礎理論に関する知見が要求される。故に,平野との会合のみならず,統計数理研究所の研究者との接触が必要とされるものである。


 

研究参加者一覧

氏名

所属機関

平野 勝臣

統計数理研究所