平成152003)年度 一般研究2実施報告書

 

課題番号

15−共研−2029

専門分類

7

研究課題名

植物の形態形成形質評価における光計測による簡便化とその利用

フリガナ

代表者氏名

ヒラタ ユタカ

平田 豊

ローマ字

Hirata Yutaka               

所属機関

東京農工大学

所属部局

大学院農学研究科

職  名

助教授

所在地

TEL

FAX

E-mail

URL

配分経費

研究費

0千円

旅 費

0千円

研究参加者数

4 人

 

 

 

研究目的と成果(経過)の概要

筆者等は植物の形態形成や栽培・育種分野における幅広い利用、応用をめざして形態の客観的評価
を出来るだけ簡便におこなうことのできるシステムの開発の取り組んできた。また、以下のような研究
計画に基づき研究を進めた。
 従来から進めてきたフーリエ楕円による植物の形態、特に葉の形態、評価に関する研究を迅速、簡便化しさ
らに植物分野へ利用拡大していくため、その光計測の確立に向けて、圃場や野外での測定が容易で、データ
収集記録上高性能を持つ装置の開発と利用をめざす。さらに、これらのため、実際育成したトウガラシ、柑
橘などの簡単な構造を持つ葉を利用してそれらへの適用可能性をしらべる。
 これまで行われ、勝利用してきたフーリエ楕円法は単に全縁の葉の形態だけに適用できた。しかも複
雑な葉形や形態はあまり評価は出来なかった。
 さらに、計測の連続性、すなわち、発生過程の連続的な解析には適していないことも大きな難点であ
る。
これを克服するために、楕円フーリエを改良し、P型フーリエ法を共同研究者の鄭と田村が開発し、そ
の有効性を部分的な葉の先端などの形態だけではなく、全縁葉、切れ込みを持つ葉の形態に関しても、
その分析法の有効性を明らかにしてきた。
 本年は、蓮の葉、トウガラシ葉、ミカンの諸系統の葉を用い、これまで行われてきた二宮や岩田等の
楕円フーリエ法などと比較検討し、改変したPがたフーリエの本方法がより有効であることを確かめ、
新たなデータを取り直し、計算した結果、極めて正確で完成度の高い形態的測定、評価を行うことの出
来ることがわかってきた。
 これらに基づき、蓮の先端評価を行い、品種分類が精密に出来ることを明らかにし、現在論文を執筆
中である。長年進めてきたトウガラシの交配系統の評価でも、同様に有効であることを確認している。
 さらに、ミカン7品種系統で葉の形態を評価し直し、分類評価にどのように適用できるかを測定中で
あり、近く論文としてまとめる予定である。
 ただし、発生過程における測定や遺伝的解析などこの方法に基づく研究を今後さらに進めることとし
た。
 現在そのための材料の育成、準備を進めている。
 また、遺伝分析のためには、葉の形質が量的形質であるため、どうしても5系統以上の相反交雑が必
要であるため、系統の育成が不可欠である。そのため、従来から用いているトウガラシ変異系統からさ
らに系統選抜を行い、相反交雑による新たな系統を作成している。
 これらの形態解析を成果は、他の解析とともに、国際誌、国内外の学会で発表されている。

 

当該研究に関する情報源(論文発表、学会発表、プレプリント、ホームページ等)

Motegi,T et al.,2003.Obtaining an ogura-type CMS line from asymmetrical protoplast fusion between
cabbage(fertile)
and radish(fertile).Euphytica,129:319-323.
Vo Cong Thanh and Yutaka Hirata.2002.Seed storage protein diversity of three rice species in the
Mekong Delta.Biosphere Conservation,4:59-67.
Vo Cong Thanh,Tran Ngoc Nguyen,Yutaka Hirata and Nguyen Van Thuong 2003.
Characterization of antenna protein diversity of prawn(Macrobrachium)in the Mekong Delta River.
Biosphere Conservation 5,11-17.
Vo Cong Thanh,Dai Thi Xuan Trang,Liu Shan Shan and Yutaka Hirata 2002.
Evaluation by screening of 7S in soybean β-subunit deficiency and its inheritance
on genetic resource of soybean(Glycine max.L.)Biosphere Conservation,5,(in presss)
その他上記以外に内容を
EUCARPIAトウガラシの遺伝育種学会(オランダ)口頭、ポスター2報、第17回国際園芸学会(デジ
ョン、韓国)で2報口頭予定、及び、ポスター(7報)で報告し、近くProceedings、先に行われたカ
ナダでの国際園芸学会の論文がActa Horticulture誌に印刷出版される。
 国内の日本育種学会代、2003年10月の104回大会で3報、2004年3月の105回大会で
5報口頭発表を行った。この中で、形態分析の成果を報告した。

研究会を開催した場合は、テーマ・日時・場所・参加者数を記入してください。

 

研究参加者一覧

氏名

所属機関

岩田 洋佳

農業研究機構・森林総合研究所

田村 義保

統計数理研究所

二宮 正士

農業研究機構・中央農業総合研究センター