平成クオ1989)年度 共同研究実施報告書

 

課題番号

クオ−共研−41

専門分類

5

研究課題名

市街地における準マイクロ波帯伝搬特性に関する研究

フリガナ

代表者氏名

サトウ サダオ

佐藤 定夫

ローマ字

所属機関

東京電機大学

所属部局

工学部

職  名

助教授

所在地

TEL

FAX

E-mail

URL

配分経費

研究費

0千円

旅 費

0千円

研究参加者数

4 人

 

 

 

研究目的と成果(経過)の概要

わが国においては新しい移動通信の周波数として準マイクロ波帯(1GHz〜3GHz)を用いることが決められている。新しい周波数帯を用いた通信方式の開発のためには電波伝搬特性の解明は不可欠である。そこで市街地における準マイクロ波帯の電界強度推定法について統計的に研究する。


平成元年度は,これまでの電算機シミュレーションの結果を回帰式としてまとめることを重点として共同研究を実施した。その結果の一部は1990年電子情報通信学会春季大会において公表した。さらに残りについても今年度中に公表できるように,現在準備中である。これまでの結果をまとめた回帰式についてはすでに大体の見通しが付いたので本共同研究は元年度をもっていったん打ち切ることとした。
本研究は5年間(60−共研−26〜1−共−41)にわたって貴研究所の共同研究として行なわれました。ここで貴研究所に対し深く感謝したいと思います。
本研究はビルの密集した市街地における電波伝搬特性を,ランダムなビルの配置による回折損とみなしてシミュレーションにより平均伝搬損を推定したものです。このためシミュレーションのパラメータは
伝搬距離 d (1〜32km)
送信アンテナ高 〓 (12.5m〜800m)
受信アンテナ高 〓 (1m〜50m)
平均建物高 〓 (10m〜30m)
平均建物間隔 〓 (400m〜800m)
周波数 f (300MHz〜3000MHz)
の計6個あり,1つの組合せについて400回の試行によりその平均損を求めたものです。各パラメータの全変域を統一的にcoverする推定式は理想ではありますが,現在は各場合について回帰式を作成しています。計算結果の量は膨大であり,全体像をとらえることはまだ今後の課題であります。


 

当該研究に関する情報源(論文発表、学会発表、プレプリント、ホームページ等)

「都市内における平均伝搬損の周波数特性の推定」 樋口,森田,佐藤
1990年電子情報通信学会春季全国大会 B−37


研究会を開催した場合は、テーマ・日時・場所・参加者数を記入してください。

市街地の道路上においてはビルにより回折または反射された電波が受信される。したがってビルによる電波の回折損失を計算することにより道路上の電界強度を推定することができる。これまではビルの高さ分布を指数分布,位置はポアソンの点過程に従うと仮定して電算機シミュレーションにより,ビルの多重回折損失を計算して電界強度を推定した。この結果は実測値と良く一致することが,いくつかの例で確かめられ,すでに電子通信学会で公表してきた。しかしながら,モデルのパラメータの推定法になお若干の疑問がある。また,結果をより見通し良くするためには理論的推定式の作成とシミュレーション結果の比較が必要である。本年度はこれらの点について解明したい。


 

研究参加者一覧

氏名

所属機関

長谷川 政美

統計数理研究所

樋口 伊佐夫

帝京技術科学大学

森田 和夫

(株)セコムテクニカルセンター