平成162004)年度 一般研究1実施報告書

 

課題番号

16−共研−1008

専門分類

3

研究課題名

POSデータにおける価格反応分析

フリガナ

代表者氏名

コンドウ フミヨ

近藤 文代

ローマ字

Kondo Fumiyo

所属機関

筑波大学

所属部局

システム情報工学研究科

職  名

講師

所在地

TEL

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研究目的と成果(経過)の概要

これまでの研究では時系列モデルで扱われるトレンドや曜日変動と、回帰モデルで扱われる短期
的な説明変数による効果が統一的に分析できる新しい状態空間モデルを提案したが、購買間隔の長
さが長くなるとゼロ販売量の出現頻度が増加し、商品購買データについて、ダイナミクス性の表れ
方が弱くなることが観察された。そのため、購買間隔の長い商品についてはダイナミクス性が存在
しても顕著に表れず、回帰モデルのみで十分分析が行えると考えられる。
 そこで本研究では、その購買間隔とデータにおけるダイナミクス性の表れ方との関係を解明する
目的で、セールスプロモーションを説明変数として伴う比例ハザードモデルを用いて、Bayes手法
により、日本のスーパーマーケットにおける商品カテゴリーの購買間隔の推定を行った。まず、日
本茶のスキャンパネルデータを用いて顧客別の購買間隔を推定した。
 顧客の購買間隔(購買頻度)がマーケティング活動によってどのように変わるかは、企業にとっ
て大きな関心である。アメリカの先行研究(Bucklin and Lattin 1990;Guadagni and Little
1987;Gupta 1988;Vilcassim and Dipak C.Jain 1991)では、マーケティング変数が消費者におけ
る購買間隔の分散の大部分を説明できていないという結果を得ている。また、Vilcassim and Dipak
C.Jain 1991では、ブランドロイヤラーとブランドスイッチャーの2つのセグメントの消費者異質
性を考慮しているが、本研究では、消費者異質性について更に一歩踏み込んで、消費者毎にパラメ
ータを指定した。
その結果、「曜日,ロイヤルティー,価格,総売上,特別陳列」の説明変数のなかで消費者の購買
間隔に影響を与えている変数は、消費者異質性を考慮しなかった場合は、「曜日」のみが消費者の
購買間隔に影響を与えているのに対し、消費者異質性を考慮した場合は「曜日」のほかに、「ロイ
ヤルティー,特別陳列」も消費者の購買間隔に影響を与えているということが確認できた。アメリ
カの先行研究では、マーケティング変数が消費者における購買間隔の分散の大部分を説明できてい
ないという結果を得ているのに対し、本研究では、日本茶の購買間隔には曜日効果が表れたという
ことが確認でき、アメリカの論文とは違った結果を得ることができた。

 

当該研究に関する情報源(論文発表、学会発表、プレプリント、ホームページ等)

研究会を開催した場合は、テーマ・日時・場所・参加者数を記入してください。

 

研究参加者一覧

氏名

所属機関

北川 源四郎

統計数理研究所