計算機の歴史:1990年 [前年] [次年]  [年別インデックス]

1990(平成2)年


 統計数理研究所におけるデータ解析、モデル開発、データ通信の中心となっているのは統計科学計算機システムである。このシステムは大型汎用計算機HITAC M-682Hと中型汎用計算機 HITAC M-660Dの 2台で構成されている。多種多様な統計解析および統計的シミュレーション等がM-682Hを用いて処理されており、システム管理及び後述の各種ネット網との接続のためにM-660D用いられている。各研究室及びターミナル室に設置された端末機を通じた会話処理により、効率的にプログラムの作成、編集、デパッグ及び計算の実行等が行われている。大規模な計算はバッチ処理として行われることが多いが、端末からジョブを投入することにより計算を開始することもできる。

 プログラム言語としては、FORTRANが最も多く使用されている。また、M-682H には、ベクトル演算機構が内蔵されており、プログラムのベクトル化が可能になっている。APL、PL/I の使用頻度も多い。その他、REDUCE, LISP, PASCAL 等も使われている。

 SAS, SPSS-X, BMDP, GENSTAT, IMSL等の市販パッケージ・ライブラリを利用することができる。また、所員により開発されたデータ解析プログラムを統合化し、ユーザーインターフェースを改善するために、統計解析ソフトウエア運用システム(略称:σ2/μ-ism)を開発し、運用している。

 プログラム開発及び比較的規模の小さいデータ解析のためにワークステーション、パーソナルコンピュータを使用している。ワークステーション、パーソナルコンピュータ、統計科学計算機システムはイサネットに接続されており、計算資源の有効利用及び負荷の分散を図っている。イサネットに接続されている計算機間では、ファイル転送が可能である。この機能により、プログラム資源、データ資源を有効に共有することができる。また、イサネットに接続されているパーソナルコンピュータからは、ワークステーション、統計科学計算機システムを自由に利用することができ、研究・開発を能率的に行える。現在のネット網は、図1に示す通りである。N1, JUNET, BITNET を通して所外の計算機とも接続されている。

 コンピュータを利用できるのは、所員(客員を含む)、共同研究員、外来研究員、総合研究大学院大学の大学院生、名誉教授等、統計数理研究所統計科学計算機システム利用規則に定められた資格を有するものに限られる。コンピュータに関する管理運営は、「計算機委員会」の協議に基づいて、統計データ解析センター計算機管理室が行っている。

●計算機の構成

1.統計科学計算機システム関係

2.情報管理システム関係

3.ワークステーション関係

4.その他


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