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サンプリングと回収状況

1.過去の調査における調査対象
対象地域とサンプリングの概要
1971年調査の対象範囲を継承している。ホノルル市の中心部を含む東側の地域である。DISTRICTの編成が変更されてきたため、その都度、調査の度に対象範囲のDISTRICT番号は異なってきている。
1971年調査DISTRICT 7〜16
日系人のみの調査であったため、選挙登録者名簿の名前から日系人と予想される対象者を抽出した。
1978年調査DISTRICT 8〜18
日系人のみでなく、それ以外の住民も含めた比較調査となったため、選挙登録者名簿から、等間隔抽出。
1988年調査DISTRICT 10〜28
選挙登録者名簿から、等間隔抽出
DISTRICT 28 の PRECINCT 5 は対象地域外
ちなみに、この調査対象地域のactive votersは128,078人で、ハワイ州(342,516)中の37%、オアフ島(252,328)中の 51%。また、抽出した調査対象サンプル数は1549人。
参照:1986, Monograph 3, p.13
1991, ISM Report No.70, p.15
※ マップをクリックすると拡大して表示します。


2.2000年調査のサンプリング作業記録
(0)サンプリングの概要
DISTRICT 15〜30
選挙登録者名簿から、等間隔抽出 (サンプルリスト1)
サンプリングリストより、日系人を名前から判断して抽出 (サンプルリスト2)
(1)選挙登録者名簿(CD-ROM)の内容
DISTRICT 15〜51  総数 431,428
データの順序は、DISTRICT順ではなく、登録順となっている。
このうち対象地域のDISTRICTは 15〜30(29,30の一部は対象地域外だが少数)
(2)DISTICT 15〜30 のみを抽出、DISTRICT番号順のファイル作成
DISTRICT順に並べ替えたファイル作成   総数 178,562
 DISTRICT毎の集計
15 : 13,531 16 : 13,465 17 : 14,620 18 : 11,346 19 : 12,384
20 : 9,310 21 : 11,007 22 : 8,752 23 : 12,841 24 : 11,631
25 : 11,929 26 : 12,589 27 : 10,266 28 : 9,114 29 : 7,986
30 : 7,791
(3)等間隔抽出
約10,000を抽出するため、間隔 17 で等間隔抽出、初期値はランダム数 09 とし、10,504 抽出された。DISTRICT毎のサンプル数は以下のとおり。
各DISTRICTの抽出確率が等しくなっていること確認
15 : 796 16 : 792 17 : 860 18 : 667 19 : 729 20 : 548
21 : 647 22 : 515 23 : 755 24 : 684 25 : 702 26 : 741
27 : 603 28 : 537 29 : 469 30 : 459
(4)DISTRICT毎、street名のabc順に並び替える
(5)DISTRICT 29,30 の対象地域外について
地図で対象地域内、対象地域外を探して、除外することを試みたが、地図上のtreet名を見つけることがかなり困難で、確認できないものが3分の1近くあった。
しかし、対象地域外に当たるサンプルはごく少ないことが予想された。
従って、対象地域外もサンプルリストに含めておき、実際の調査に当たって、地域外として除外することとした。
(6)さらに5分の1のサンプリング
10,504 から間隔5で等間隔抽出(初期値はランダム数)。

これを「サンプルリスト1」とする。
 DISTRICT毎のサンプル数
15 : 159 16 : 159 17 : 172 18 : 133 19 : 146 20 : 110
21 : 129 22 : 103 23 : 151 24 : 137 25 : 140 26 : 148
27 : 121 28 : 107 29 : 94 30 : 92計:2101
(7)宛名ラベル用のファイル
1行目 'MR'('MS') + NAME
2行目 ADDRESS
3行目 'HONOLULU HAWAII' + ZIPCODE ( + sample number)
ADDRESS 以外に MAILING ADDRESS のあるものについて別ファイル作成
(8)日系人サンプル追加用のサンプルリスト
サンプルリスト1で調査を進めたところ、回収率が非常に悪いことが予想されたため、日系人の回答者数を追加するため、日系人のみのサンプルリストを、次のように作成した。
サンプルリスト1と同様に(6)の等間隔抽出で、初期値を変えて抽出した 2101人の中から、最初の692人のうち、名前から日系人と推察される人だけを抜き出し、215人のリストを作成した。

これを「サンプルリスト2」とする。

このサンプルは、サンプルリスト1の調査の回収に努力し、これ以上は回収の望めないという段階で、日系人回答者の数が少ない場合に、最後の手段として用いることとした。
(実際、サンプルリスト1の回収数が449で止まってしまった段階で、サンプルリスト2を使用した。)

3.回収状況
1971年調査から1988年調査までの回収状況は表1の通りである。1978年、1983年調査では、日系・非日系合わせた回収率は60%程度(日系のみの回収率の方が高い)であったが、1988年調査では43%に低下している。さらに今回の1999年調査では、調査環境だけでなく社会の状況も悪化していることが指摘され、名簿の悪さも加わり、回収率は良くなかった。日系人については、別に名前から日系人と判断された215人のサンプルについても調査した。その中でも回収率は同程度である。
■ 回収状況 及び 調査完了対象者の日系人の中での世代の構成
調査年サンプル数完了数**
(%)
日系非日系日系比率日系人の世代別
一世二世三世
その他
1971*594434(73%)434--12(3%)242(56%)180(41%)
19781205751(62%)31243941.6%16(5%)158(51%)133(43%)
19831312807(62%)30550237.8%8(3%)124(41%)173(57%)
19881163499(43%)18031936.1%3(2%)83(46%)94(52%)
2000 2101449(41%)16026437.9%2(1%)70(34%)134(65%)
*21551(24%)465-
注) * 日系人のみの調査、** 英語調査票回答者のみ
注)なお、1990年の国勢調査では、Honolulu Countyにおいて総人口は837,919人で、そのうち日系人は195,149人で、全体の約23.3%である。
サンプルリスト1サンプルリスト2
回答候補者2,101名215名
有効回答者数449名21.3%51名23.7%
拒否279名13.3%34名15.8%
転居550名26.2%25名11.6%
不在425名20.2%62名28.8%
家族に会えたが本人とは接触できなかったり、回答者の家は特定できたが本人とは接触できなかったケース155名7.4%14名6.5%
協力の約束を果たさなかった者32名1.5%9名4.2%
英語が分からぬ者31名1.5%1名0.5%
病気・入院中の者24名1.1%5名2.3%
身体が不自由のため調査不能の者7名0.3%4名1.9%
物故者19名0.9%0名0.0%
居住地に立ち入れないための接触不能68名3.2%9名4.2%
転居され住居自体が廃墟、崩壊のケース44名2.1%1名0.5%
一時的に別の地域に居住している者14名0.7%1名0.5%
指定調査地域の境界外に居住していた者4名0.2%0名0.0%
(文責:林 文)


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