2. 1987年イギリス調査の標本抽出計画と調査実施の概要
2. 1987年イギリス調査の標本抽出計画と調査実施の概要
調査対象
イギリス(Grate Britain)在住の18歳以上の有権者
標本抽出
イギリスでは、毎年更新される基本選挙人登録簿が大英博物館の資料部で公開されているので、用途、目的等を記して閲覧を申請すれば誰でも閲覧できる。しかし、全国の開票区、投票区ごとの選挙人名簿を集積し整備するのは時間がかかる。したがって、最近時の名簿を利用した標本抽出計画を立てるとき、この点を考慮する必要がある。
標本抽出計画は確率標本法(層別2段抽出)によって実施した。
- 地域の層別:国勢調査データによる分類システムにより地域を層別する。
- 層の決定と調査地点の抽出:層別は地方別と上述の地域特性別の組合せによる。各層に層人口に比例して150地点を比例割当し、各層から国勢調査の調査区(CED)を確率比例抽出する。(CEDは平均150世帯)
- 個人の抽出:抽出されたCEDの該当する地域の選挙人登録簿から1調査地点当り10サンプルを系統抽出して、氏名、住所を受特簿に転記する。
調査の実施
各調査員は受持名簿に記された調査対象者につぎつぎ面接する。
しかし、選挙人登録簿が作成されてから日時が経過しているため、死亡、移転、地域の再開発等のため該当者がいない場合や住所が不明の場合がある。この時は調査地域から同一住所への転入者などをリスティングして代替標本とする(全調査対象のうち10%程度になる)。
調査拒否が予想以上に多くなり、調査完了数は1049であった。
これから属性別のクロスチェック等により調査不備と判明した6件を除き、集計に利用した標本数は1043である。