JudgePicの使用説明
1． 紹介
JudgePicは植物の器官の2次元における形状を、定量的に数値化するために開発されたソフトウェアである。実際に運用するとき、細胞、骨などの2次元デジタル画像であれば、理論的にすべて形状を定量化することが可能である。JudgePicが利用する原理は、フーリエ（P-type, G-type）変換である。任意の2次元の形状の輪郭線を抽出し、指定された次元のフーリエ記述子に自動変換される。特徴は開曲線（P-type Fourierのみ）にも有効であることである。そのために、形状だけではなく曲線の定量分析にも使える。R言語で開発されたrfourier.rと一緒に使えば、形状の変化を観察することもできる。
2． Install
次のリンクからファイルをダウンロードして実行し、提示の情報を元にインストールできる。実行ファイルはJudgePic.exeである。
http://www.ism.ac.jp/~tamura/JudgePic.msi
http://www.ism.ac.jp/~tamura/JudgePic.exe
3． 各命令
メニューの命令：
File --- open
処理する画像ファイル開く
--- Clipboard
表示している画像をClipboardにコピーする
Do --- Tracing
輪郭線抽出の処理を行なう。
---Fourier Translation (G-type)
抽出された輪郭線のGタイプフーリエ変換を行なう（輪郭線抽出或いは細線化を先に行うことが必要）
---Fourier Translation (P-type)
抽出された輪郭線のPタイプフーリエ変換を行なう（輪郭線抽出或いは細線化を先に行うことが必要）
---Batch Processing (G-type)
プログラムが所在するフォルダ内すべてのTIFFファイルを対象として輪郭抽出を行い、Gタイプフーリエ記述子を計算し、linedata.txtファイルに記録する。曲線の長さはsizedata.txtに記録する
---Batch Processing (P-type)
プログラムが所在するフォルダ内すべてのTIFFファイルを対象として輪郭抽出を行い、Fタイプフーリエ記述子を計算し、linedata.txtファイルに記録する。曲線の長さはsizedata.txtに記録する
パラメータ：From と To
輪郭線抽出するときのルート
例：
１：From = round
To＝任意
一周の輪郭線を抽出する
２：From = top
To = bottom
一番上（左）の点から一番下の点までの輪郭線を抽出する
３：From =top
To= Top right : 一番上（左）の点から一番上且つ右の点まで輪郭線を抽出する
Cut off
フーリエ変換を行うときの近似化する次元数
Threshold
対象と背景をわけるためのしき値。しき値より大きいのは背景、しき値より小さいのは対象物
4． 解析の例
１．全体輪郭線を抽出及びフーリエ記述子の計算
File---Open (leaf)
Do---Tracing
Thresshold=200
Do---Fourier
Translation (G-type) cut off=32
Do---Fourier
Translation (P-type) cut off=32
Do---Fourier
Translation (P-type) cut off=8
２．一部分の開曲線の抽出及びフーリエ記述子の計算
File---Open (jaw)
Do---Tracing (From top to bottom)
Do---Fourier
Translation (P-type) cut off=16
付録
【rFourier.rの使用方法】
使用する環境：R言語が必要である
R言語はOpenSourceのプロジェクトである
使用方法、及びSetupファイルは次のサイトから取得できる
rFourierにより、judgePicで得られたp-type記述子により、輪郭線を再描書できる。主成分の分析もできる
主要な関数：
main.pc(file, unit, length)
file: p-type フーリエ記述子を格納しているファイル
unit: 分散の倍数
length: ピクセル毎の長さ
その他：rfourier.rファイルの内容を参照すること
http://www.ism.ac.jp/~tamura/rfourier.r
参考文献：
[1] 鄭澤宇, 岩田洋佳, 二宮正士, 田村義保“P型フーリエ記述子に基づくハナハス花弁の部分形状特徴の定量的評価”，育種学研究，7(3)．
[2] 鄭澤宇, 田村義保“P型フーリエ記述子を用いたハナハス花弁先端部の輪郭線による品種識別”，園芸学研究，4(4).