背景と研究テーマ

 ビジネス、生活、文化を含む多様な面で、現代社会は急激に変容しつつあり、 それは特に情報・通信の技術的発展によってもたらされていると言えます。 携帯電話に代表される公衆通信はコンピュータと共に、 ビジネスや生活のあり方を含めて現代社会を構築する重要な基盤となっています。 しかし、一見多彩なサービスの拡張や進展の現状は、実は限られた条件での 従来技術の組み合わせによるもので、サービスの高度化と多様化への需要に 答えることが困難となります。 これは特に無線チャネルの特性に関わるデータ伝送速度の制約に由来します。
 本プロジェクトは、広帯域化に伴う無線チャネルの諸問題を克服し、 今後さらに高速化するデータ通信サービスの需要に応えるため、 システム全体に関わる研究を目的としています。
 最近の通信システムでは、入出力信号はもはやデータであり、 電気回路はマイクロプロセッサによる数値演算により実現されます。 つまりこの研究は、限られた通信技術者のみに関わる命題でなく、 通信、情報、制御とデータ処理を含む広範な科学・技術領域に亘ります。
 研究テーマを以下の3点に集約し、研究を進めています。
(1)システム問題のモデル化と解決、これに基づく広帯域無線チャネルの実現、
(2)広帯域チャネルの適用
(3)ブレッドボードの試作とモデルの評価
 これらの研究は、当グループに蓄積された先行研究の経験と実績に支えられています。 一方、この研究は理論やシミュレーションだけでなく、 実際のものづくり(システム、ハードウエア、LSIチップ等)に関わる有益な機会を 若い研究者に提供するだけでなく、統計学の範囲を拡大発展させる重要な研究テーマと 考えています。