「統計エキスパート人材育成コンソーシアム」の設立について
ISM2021-08
2021年8月30日
統計数理研究所は、全国の大学等と連携・協力して「統計エキスパート人材育成コンソーシアム」を設立し、諸外国に比して不足しているわが国のデータサイエンス分野の統計教員の育成に取り組むこととなりました。コンソーシアムの設立総会は、8月31日(火)に開催されます。 |
「統計エキスパート人材育成コンソーシアム」(以下「コンソーシアム」という。)は、大学共同利用機関法人情報・システム研究機構 統計数理研究所(所在地:東京都立川市、椿 広計所長、以下「統数研」という。)を「中核機関」、21大学等の部局・部門・センター等を「参画機関」、事業に協力する5大学を「協力機関」として構成するもので、その設立総会を8月31日に開催し、データサイエンス分野の統計教員の育成を推進していきます。
コンソーシアムの活動を通じて、今後5年間に少なくとも30名の大学統計教員※1を、また、これらの育成された大学統計教員が所属する各機関における人材育成を通じて、10年間で約500名の統計エキスパート※2を育成することを目指しています。
※1 専門の学術領域で博士の学位を有するとともに、統計学の領域で高度な知見・技能を有し、大学院修士水準の統計学の講義や統計活用研究の指導を行うことができる人材。
※2 統計を駆使して学術研究や産業界等に貢献することができる人材。このプロジェクトで参画機関(大学等)が育成するのは、大学院修士水準の統計エキスパート。
1 統計エキスパート人材育成の背景
ポストコロナ社会におけるデータの利活用のためには、統計的手法を駆使して大量のデータを分析・解析するための人材が必要不可欠です。また、統計的素養を十分に有していないと対処できないリアルタイムビッグデータ解析等への需要も増しています。
諸外国では、すでにデータサイエンス分野の専門人材育成の教育体制を整えていますが、わが国での取組は緒についたばかりです。特に、大学における統計分野の専門教員の不足は深刻で、質の高い多くの専門教員の養成が喫緊の課題となっています(2019年現在、米国では統計学部を有する大学数は177大学、わが国では統計関連の学部を有する大学数は5大学)。
これに対応するためには、Society 5.0の実証に不可欠なビッグデータやAI等のイノベーションに寄与する統計学を用いた他分野との融合領域の研究振興を図るとともに、育成されたエキスパート人材(大学統計教員)が大学等で核となり、統計学や融合領域に係る教育や活動の普及・展開を行う体制(統計エキスパート人材育成エコシステム)の構築を図ることが必要です。
このため、いわゆる「骨太の方針2020」(令和2年7月17日閣議決定)において、「データサイエンス教育や統計学に関する専門教員の早期育成体制等を整備する」こととされ、文部科学省公募事業「令和3年度統計エキスパート人材育成プロジェクト」(令和3年度人工知能等社会実装研究拠点事業費補助金事業)が創設されました。
(公募情報https://www.mext.go.jp/b_menu/boshu/detail/1421775_00006.htm
)
統数研では、全国の大学等と連携してコンソーシアム設立の準備を進めてこのプロジェクトに応募し、2021年6月22日に採択されました。
(公募結果https://www.mext.go.jp/b_menu/boshu/detail/1421728_00002.htm
)
2 コンソーシアムの概要
コンソーシアムは、中心的な役割を果たす「中核機関」の統数研と、中核機関と協力して事業を実施する全国21の大学等の部局・部門・センター等の「参画機関」、プロジェクトに協力する5大学の「協力機関」から構成され、「統計エキスパート人材育成プロジェクト」を推進する基盤となるものです。
このコンソーシアムの設立総会は、8月31日にweb開催し、10月からの大学統計教員育成研修の開始に向けた準備を加速することになります。
3 統計エキスパート人材育成プロジェクトの概要
統数研は、中核機関として、5年間の事業期間中に2年間の「大学統計教員育成研修」を3回実施し、多様な学術分野の若手研究者(助教、ポスドク等)を最新の統計教育や統計的研究指導を行うことができる大学教員に育成します。また、修士水準の統計エキスパートを輩出するための「統計エキスパート育成システム」を開発・提供します。
参画機関の大学等は、所属する若手研究者をこの育成研修に派遣するとともに、中核機関の支援や当該若手研究者との連携の下、参画機関内に統計エキスパートを育成するシステムを構築・運用します。
これらの取組を通じて、コンソーシアムでは、5年間の事業期間中に少なくとも30名の大学統計教員を育成するとともに、これらの育成された大学統計教員が所属する大学等における人材育成により、5年間の事業期間も含め10年間で約500名の統計エキスパートを育成することを目指します。
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