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資源の保護と調査 学術文化の歩みとともに 日本人と国際社会 終わりに
終わりに

このウェブページでは、統計数理研究所が関与している分野の広がりを紹介しました。

統計数理研究所の活動が学術と文化の全域に及んでいることを、ご理解いただけたことと思います。

情報化時代といわれる現代では、社会の各方面で大量のデータが蓄積されつつあります。

このデータは、そこから有効な情報を取り出せてこそ、初めて役にたつものとなります。

データと情報の活用をはかる統計数理的方法は、諸科学、産業は勿論、行政の分野でも今後ますます必要とされるでしょう。

そのための理論を創造し、応用範囲の拡大に努める統計数理研究所は、学問と文化の基盤である統計科学の発展を担っています。

§1 統計数理研究所について

本研究所は、昭和19年に文部省の所轄機関として設置され、統計数理に関する我が国唯一の独立した研究所として、数々の特色ある研究成果を挙げてきました。しかし、近年の学術研究の著しい進展に伴い、全国の大学等の研究者が統計学を通して相互に協力するための中心となり、交流センターとしての機能をも果たし得ることが要請され、昭和60年4月、大学等における学術研究の発展に資するための国立大学共同利用機関に改組されました。さらに平成元年6月28日には、国公私立大学の研究者による共同利用を促進するため、大学共同利用機関となり、全国の研究者との共同利用の充実を目指して体制の整備、外国人研究者の招へい、大学院教育への協力、研究集会の開催、研究情報の収集などに力を注いできました。

平成2年12月21日、日本学術会議統計科学研究連絡委員会は、「統計科学研究教育研究体勢の整備のための具体的方策について」と題する報告を行い、統計科学を「もともと集団現象の研究に端を発した統計概念の情報的側面に注意しつつ、その深化発展と有効利用を広く諸科学との連携において展開することを目指す科学」と定義しました。本研究所が実施している共同研究の関連分野の広がりは、正にこの定義が具体化されていることを示しています。

現在、統計数理研究所は、理論と応用の両面にわたる研究を通じ、我国における中核的機関として統計科学研究の推進に当たっています。
本研究所では、研究の内容と業務に応じ、基幹的研究組織と戦略的研究組織等を設けています。統計基礎概念、統計解析法、統計モデルに基づく予測制御、自然科学・社会科学領域への応用等について理論的実証的に研究を進めるとともに、統計解析法のソフトウェアの開発や一般社会人を対象とする公開講座の開催なども行っています。(本研究所の組織についてはこちらをご覧下さい。)

§2 総合研究大学院大学 統計科学専攻について

昭和63年10月、新しい学術研究の流れに対応できるよう、独創性と幅広い視野を持った研究者を養成するため、大学共同利用機関の優れた人材と機能を生かして、博士後期課程の教育・研究を行う総合研究大学院大学が創設されました。

その基盤機関の1つとして統計数理研究所は、数物科学研究科統計科学専攻を開設しました.統計基礎、調査実験解析、予測制御、領域統計の4講座を設け、統計科学に関する専門的な教育と研究を行ってます。

§3 統計的情報処理のためのソフトウェア

統計数理研究所が開発した統計的情報処理のためのソフトウェアは、工業プロセスの最適制御から脳波の分析、教育心理データの解析に至るまで、 さまざまな分野で利用されています。

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