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専攻長からのメッセージ

統計科学専攻について

統計科学専攻長   宮里 義彦 

 

 現代社会における複雑で不確実な現象や不完全な情報に対して、データに基づいて合理的な推論や予測を行い、新たな知識の獲得や問題に対処する方法論・原理を開発するのが統計科学の目的です。このような統計科学は狭義の科学や工学の分野にとどまらず、社会科学、経済学、人文科学、医学・生物学などをはじめとして、きわめて学際的な研究分野を形成しているのが特徴です。
 統計科学専攻は我が国唯一の統計科学の専門の大学院であり、総合研究大学院大学の複合科学研究科の一専攻として、統計数理に関する教育研究活動を行っています。本専攻は平成18年度に3年の博士課程から5年一貫制の博士課程に移行し、それ以降は修業年限を5年とする「5年の博士課程」(学部修了レベルの学生・社会人を対象)と修業年限を3年とする「後期3年の博士課程」(修士修了レベルの学生・社会人を対象)の2つの課程から構成されています。昭和63年の開学以来、統計科学の学際性を反映して、狭義の統計学だけに限らず理系から文系まで幅広い分野を背景とする学生・社会人を受け入れ、学位取得の後はこれも学術や社会の幅広くさまざまな分野で活躍する人材を輩出してきています。
 統計科学専攻は、統計数理研究所を基盤機関として教育研究活動を行っています。この統計数理研究所は、昭和19年に統計科学の学術研究を目的に文部省直轄の研究所として設置され、以後、大学共同利用機関への改組や法人化などさまざまな変遷を経ながら、「情報量規準AIC」、「数量化理論」、「モンテカルロフィルター(粒子フィルター)」などの開発と提唱をはじめとして統計科学における多大な研究成果を挙げて、我が国のみならず世界における統計数理研究の中心的な研究機関として、学術の発展に寄与してきました。現在でもデータ同化、調査科学、機械学習、リスク解析、サービス科学など多くのプロジェクトが進行中で、最先端の研究活動が行われています。統計科学専攻の学生はこの基盤機関である統計数理研究所の最新の研究成果に、研究会・セミナーや講義の聴講、研究指導を通して直接触れることができるだけでなく、プロジェクトのメンバーとして自身が先端的な研究の推進に積極的に関わり、海外を含めた広範囲の研究連携のネットワークに自ら入っていくことも可能です。
 既存の学問分野にこだわらず新たな学術体系の創出を目指し、不確実な現象に対してデータに基づいて推論し行動するという広義の意味での統計科学の構築に、さまざまな分野を背景として力強く参画したいという高い志を持った皆様の、統計科学専攻への入学を切にお願いいたします。