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研究紹介
2006/07/04

リスク解析戦略研究センター・平成17年度研究報告書

リスク解析戦略研究センター
プロジェクト研究員
友定 充洋

1. 本年度の具体的研究内容

課題名
  温室効果気体観測技術衛星GOSATによる気体濃度導出精度の評価

共同研究者
 椿広計(筑波大学) 横田達也(国立環境研究所)

内容
  地球温暖化気体である二酸化炭素とメタンの地表から大気上端までの濃度を積算した累積濃度(カラム濃度)を観測する衛星GOSAT(Greenhouse gases Observing SATellite)が、2008年に打ち上げを行う予定である。GOSATから地球温暖化ガスは、地表および大気で反射した太陽光を観測して行われる。GOSATから導出される二酸化炭素やメタンのカラム濃度には、導出の際に設定する大気モデルやセンサに起因する誤差、GOSATで得られた信号(インターフェログラム)から輝度スペクトルへ変換する際に生じる誤差が含まれる。そこで、本研究では、これらの誤差要因による二酸化炭素とメタンの導出精度を、統計的手法により評価する。平成17年度は、各誤差要因のモデル化を行い、これらの誤差要因によるGOSATで観測されるスペクトルの変化を数値シミュレーションにより検討した。作成したノイズモデルは、近日、国立環境研究所の温暖化気体導出アルゴリズムに組み込まれる予定である。


2. 研究成果

 口頭発表
  ISMシンポジウム
友定充洋(統計数理研究所) 椿広計(筑波大学) 横田達也(国立環境研究所)
次期環境観測衛星GOSATから二酸化炭素濃度の推定について
 その他

地球環境研究総合推進費B-2課題 報告会
    友定充洋(統計数理研究所) 椿広計(筑波大学)
FTS観測の誤差評価モデルの検討


3. 研究の学術的意義

 本研究は、地球環境研究総合推進費「温室効果ガス観測衛星データの解析手法高度化と利用に関する研究」のサブテーマ「衛星観測データからのカラム量導出のための解析手法の高度化研究」の一端である。地球温暖化による現在あるいは将来のリスクは多方面から研究されており、リスク解析あるいは評価を行う上で二酸化炭素の動態や循環の理解を深めることは重要である。しかし、現在のところ、二酸化炭素やメタンの濃度の観測地は少ない。そのため、ほぼ全地球を高頻度で観測することが可能である衛星観測は有効である。GOSATでは、二酸化炭素のカラム濃度導出精度目標を1%としている。目標を達成することが可能であるかを検討するためにも、GOSATによる二酸化炭素モニタリングの精度評価を行うことは重要である。本研究の目的は、カラム濃度導出値に誤差を与える要因のモデル化を行い、導出精度を評価することである。導出精度の評価には、誤差要因が多数あることから、各誤差要因の相互作用を考慮する必要があり、そのため直交表を用いて統計的手法により行う。GOSATでは、フーリエ分光計により二酸化炭素やメタンのカラム濃度を導出する。現在、フーリエ分光計を搭載した衛星は少なく、衛星観測の将来を見据え、観測技術やデータ処理技術、導出技術の開発は重要である。


4. 研究の社会的意義

 地球温暖化による環境や社会へのリスクには、海水の膨張や氷河などの融解による海面上昇、気候メカニズムの変化による異常気象の発生、自然生態系や生活環境、農業への影響などがある。また、温暖化予測では、地球の平均気温が100年後には数度上昇すると言われ、これまでにない急速な気温上昇となることが予測されている。現在の自然環境を後世に残すためにも、地球温暖化の解明および対策を講じることが急務となっている。リスク低減を図るための対策をたてるには、温室効果気体である二酸化炭素やメタンの動態を知る必要があり、濃度の観測は必要不可欠である。本研究は、衛星から二酸化炭素とメタンのカラム濃度の観測を行うための基礎研究として重要である。


5. 外部研究資金への応募・獲得状況

 外部研究資金
     応募 平成18年度科学研究費補助金 若手研究
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