所長挨拶

樋口知之

2015年7月28日

統計数理研究所長 樋口知之

統計数理研究所(以下、「統数研」)は戦争終結間近の1944年に設立されました。「確率に関する数理およびその応用の研究を掌り、並びに研究の連絡、統一および促進を図る」を設置目的として出発した研究所は、現実との接点を非常に意識した設立時からの研究における志向性をDNAとして脈々と受け継ぎ、統計数理の深化と展開に貢献して参りました。大学共同利用機関法人の第二期中期目標・中期計画期間も本年度が最終年度となり、厳しい諸環境が国立研究教育機関をとりまく昨今、私どもは、次年度に迫る第三期中期目標・中期計画開始に向け、さらに関係コミュニティ等に対して有用な大学共同利用機関としての在り方を積極的に協議・検討しているところです。

本年度から2年間、私は、第一期(4年間)に引き続き所長を拝命しました。第一期任期の4年間では、研究所の2大事業であるNOE(Network Of Excellence)形成事業と統計思考力育成事業の本格的始動と安定的運営に微力ながら尽くして参り、大学共同利用機関としての本分である「共同利用・共同研究機能の高度化」に関しては、一定の成果を得られたものと自負しております。

法人第二期最終年度である本年度の運営方針の骨子としては、「組織力の安定化」と「外の組織と具体的な連携策の推進」を掲げました。「組織力の安定化」に関しては、このたび私の所長第二期任期スタートに伴い、執行部をこれまでより若い世代に一新することにより、フレッシュな気持ちで研究所運営に邁進いたします。この新体制において、広報体制の整備、URA機能の研究所諸部門への浸潤、事務部組織力のポテンシャル向上等をはかっていきます。

また、「外の組織との具体的な推進」については、昨年度、新規導入したスーパーコンピュータシステム(そのうちの一つは大学共同利用機関として初めて、“革新的ハイパフォーマンス・コンピューティング・インフラ(通称 HPCI)”に参画)の利用を各コミュニティに供するのはもちろんのこと、文部科学省委託プログラムの「数学協働プログラム」、「データサイエンティスト育成ネットワークの形成」を通じ、全国の国立大学附置研究所・センター、国立研究開発法人、学会・教育関係団体等と関係を深め、具体的な連携を策定していきます。また統計思考力育成事業の新しいプログラム「データサイエンス・リサーチプラザ」を利用して、民間企業の研究部門等のセクターとのつながりも重視していきます。なお、海外の著名な研究者らを招聘する上で大きな効果のあったゲストハウスは昨年度拡張工事が始まり、本年9月末には増築分の5部屋が完成する予定です。海外機関との共同プログラム等にさらに大きな役割を果たすものと関係者一同、期待を高めているところです。

昨今の時勢からも、研究・管理の両面において、研究所の運営の舵取りは難航することが見込まれます。しかしながら、さまざまなものを “つなぐ” 「統計数理」は、このビッグデータ時代に必須のものです。私どもの研究活動が果たす大きな役割を、より広くよりわかりやすくお示しするとともに、成果を還元してまいります所存でございますので、皆様の一層のご理解とご支援を、どうぞよろしくお願い申し上げます。