F.多様性の統計数理−生物群集の多様性の話題から−
 【講義レベル:初級】

日時 8月30日(月)〜31日(火)10時〜16時30分 (10時間)
講師 島谷 健一郎(統計数理研究所)、久保田 康裕(琉球大学)、村上 正志(千葉大学)
申込受付 7月26日(月)10時〜8月6日(金)17時
受講料(税込) 5,000円(受付を確認後、8月9日(月)〜13日(金)の間に受講証で指定した銀行口座振込みで納入、 期日までに納入されない場合は、キャンセルとなります。)
定員 70名(先着順)
内容  子供の個性の多様性、消費者の多様なニーズ、等々、多様性という言葉を聞かない日がないくらい、この言葉は日常生活に浸透しています。そこでは、生物多様性の消失という地球環境問題も大きな影響を与えたことに疑いの余地はありません。
 ところで多様性の消失というからには、多様な程度を何らかの数量で表わしているはずです。では実際のところ、生物の多様性をどうやって測っているのでしょう。生物の場合、しばしば異なる種の数が用いられ、種の絶滅による種数の減少が報じられます。しかし、例えばスギの人工林でも、よく見ると下に広葉樹が生えていたりして、樹木の種数だけなら決してブナ林に劣らなかったりします。やはり、卓越してスギの数が多いことを踏まえて多様性は評価するべきなのでしょうか。それでも、鳥や哺乳動物の食料となる実や果実を付けない木ばかりの森とそうでない森は、多様性の点からも区別したいところです。つまり、構成種の特性の違いも考慮するべきです。
 正直なところ、多様性に関する統計数理は極めて稚拙なレベルにあります。地球上の生き物に関するデータは加速度的に蓄積されているのですが、それを扱う統計数理が著しく遅れているのです。
 本講座では、フィールド生態学の第一線で多様性を扱っている研究者を交え、最初に、どうして生物群集の多様性に統計数理が必要で、かつどのような統計数理が必要か、話してもらいます。それを踏まえて、生物群集の多様性数理の解説をします。「こんな粗末な統計数理で多様性は議論されていたのか」。こんな驚きをもってもらうと同時に、多様性を扱う統計数理の難しさも認識していただくことを目標におきます。
時間割
会場 統計数理研究所 大会議室 研究所周辺の地図
開場 9時30分


公開講座の模様