K.品質管理・品質工学(タグチメソッド): RによるSQC、タグチメソッド(理論と実際)、国際標準化
 【講義レベル:初級】

日時 11月13日(木)、14日(金)、20日(木)、21日(金)、25日(火)、27日(木)、28日(金)10時〜16時 (35時間)
講師 河村 敏彦、椿 広計(統計数理研究所)、荒木 孝治(関西大学)、立林 和夫((株)富士ゼロックス)、稲垣 雄史(元(株)富士通ゼネラル)
申込受付 10月6日(月)10時〜17日(金)17時
受講料(税込) 17,500円(学生 7,000円)(受付を確認後、 10月20日(月)〜24日(金)の間に受講証で指定した銀行口座振込みで納入、 期日までに納入されない場合は、キャンセルとなります。)
定員 60名(先着順)
内容 13日(木)、14日(金)
Rによる統計的品質管理:荒木孝治
統計的品質管理(SQC)は,問題解決活動における実践的なツールとして産業界において広く利用されている.本講座では,SQCの考え方およびSQCで利用する各種の手法を解説する.具体的には,QC七つ道具(特性要因図,グラフ,ヒストグラム,管理図,パレート図,散布図,チェックシート),分散分析,多変量解析入門をデータ解析環境Rを用いて学ぶ.パッケージRコマンダーを用いるので,GUI(メニュー方式)での解析を中心とし,Rのコマンドの詳細には触れない.講義は,初日に配布する資料を用いて進める.なお,RによるSQCの入門を目的とするため,統計学や数学の基礎知識を前提としないように努める.演習時にパソコンを使用するため,基本的なパソコンの知識があること,ノートパソコンの持参が望ましい.詳細については申込み後の案内を参照のこと.
参考文献:
荒木孝治編著(2005)『フリーソフトウェアRによる統計的品質管理入門』日科技連出版社
荒木孝治編著(2007)『RとRコマンダーではじめる多変量解析』日科技連出版社
永田靖(1992)『入門 統計解析法』日科技連出版社
舟尾暢男・高浪洋平(2006)『データ解析環境「R」―定番フリーソフトの基本操作からグラフィックス,統計解析まで』工学社
参考資料「Rのインストールの方法」
参考HP:http://www.ec.kansai-u.ac.jp/user/arakit/index.htm

20日(木)、21日(金)
タグチメソッド(実践編@):立林和夫
技術や設計に品質を作り込む手法として、いまや世界的な注目を浴びているタグチメソッドについて、その概要と実践に当たってポイントを解説する。基本的な発想、統計と技術を結ぶモデル、数理、実験配置、解析方法、ユニークな最適化方法、品質保証活動の中での位置づけまでを実例にもとづき解説する。
参考文献:
立林和夫著(2004)『入門 タグチメソッド』日科技連出版社
立林和夫、宮城善一著(2008)『実験とデータ解析の進め方−実験結果の質を高めるための考え方とExcelによるデータ解析の基本』日科技連出版社

25日(火)
タグチメソッド(実践編A:実習で学ぶロバストエンジニアリング):稲垣雄史
「深層の競争力」の強化には製品の質の保証を欠かすことができない。ロバストエンジニアリングによる製品の質の向上はそのための有力な方法であり、タグチメッソドとして知られる品質工学を用いた方法の理解と活用は近道である。原理と実習をつうじて、品質工学を体感し、活用の基礎とする。受講生は原理の学習と実習(ミニカー(仮)を用いた機能性評価とパラメータ設計を予定)を行い、品質工学の理解の促進を図る。

27日(木)
統計的方法の国際標準化とその動向(用語標準化と分析・測定値の管理):椿 広計
昨年に引き続き,国際標準化機構で議論されている統計的方法の標準化について,本年10月に開催される予定の北京総会での成果を踏まえ報告する。本年は、現在、進捗中の実験計画の基本概念・用語などについての動向と共に、ISOで専門用語や概念の 整理がどのような科学的方法(用語学的方法)を用いて行われているのかについても 触れる。また、分析・測定値の管理技法周辺の標準化についてエキスパートメンバーの協力をえて報告したい。

28日(金)
タグチメソッド(理論編):椿広計、河村敏彦
タグチメソッドは技術開発促進のための方法論として国内外に多くの事例がある。本講座では、ロバストパラメータ設計に限定して、統計科学とタグチメソッドの架橋を目指し,Fisher流実験計画とタグチメソッドの類似点、相違点を歴史的,方法論的に議論すると共に、統計科学的にタグチメソッドを眺めた場合にSN比解析はどのように解釈されるのか、どのように統計科学の寄与がどのようにありえるのかなどについて議論する。
時間割 13日〜14日20日〜21日25日27日〜28日
会場 統計数理研究所
開場 9時30分