F.マルチンゲール理論による統計解析の基礎
 【講義レベル:中級】

日時 9月18日(木)〜19日(金)10時〜16時 (10時間)
講師 西山陽一(統計数理研究所)、内田雅之(大阪大学)、増田弘毅(九州大学)
申込受付 8月11日(月)10時〜22日(金)17時
受講料(税込) 5,000円(学生 2,000円)(受付を確認後、 8月25日(月)〜29日(金)の間に受講証で指定した銀行口座振込みで納入、 期日までに納入されない場合は、キャンセルとなります。)
定員 60名(先着順)
内容 測度論的確率論の基本的知識を前提とした上で,条件付き期待値の復習から入り, マルチンゲール理論をわかりやすく解説し,統計解析への入門をいざなうことを 意図する.1日目午前は,離散時間マルチンゲールの定義とさまざまな例を説明 する.午後は,連続時間マルチンゲールの定義,Doob の不等式,Doob-Meyer 分 解定理,二次変分を体系的に説明した上で,確率積分の定義・性質と伊藤の公式 を紹介する.2日目午前は,その統計的推測への応用の第一歩を解説する.例と して,計数過程の積強度モデルと微小拡散過程モデルを扱う.午後は,拡散過程 モデルの離散時間観測問題を中級向けに解説する.1日目の内容はマルチンゲー ルを学習するにあたって必須のものであり,また2日目の内容は,分野としては, 計数過程にもとづく生存解析や,拡散過程にもとづく数理ファイナンスの話題に 興味を持った方を念頭に置いて講義する.
参考文献:
1日目午前:Durrent, R. (1999): Essentials of Stochastic Processes. Springer. (特に Chapter 2)
1日目午後:カラザス, I. と シュレーブ, S.E. [渡邉壽夫・訳] (2001): ブラ ウン運動と確率積分. シュプリンガー・フェアラーク東京.(特に Chapter 1)
2日目午前:Andersen, P.K., Borgan, O., Gill R.D. and Keiding N. (1993): Statistical Models Based on Counting Processes. Springer.(特に Chapter IV と VI)
2日目午後:成書はない.例えば学術論文 Kessler, M. (1997): Estimation of an ergodic diffusion from discrete observations. Scandinavian J. Statist. を読めるようになるための講義をする.
受講対象者のレベル:大学院修士課程の方を念頭におき,マルチンゲール理論を 一度勉強してみたいと思っていた研究者や社会人の方を対象とする.
時間割
会場 統計数理研究所
開場 9時30分