E.極値統計学
 【講義レベル:中級】

日時 8月21日(木)〜22日(金)10時〜16時30分 (11時間)
講師 志村隆彰(統計数理研究所)、渋谷政昭(慶応義塾大学名誉教授)、高橋倫也(神戸大学)、牧本直樹(筑波大学)
申込受付 7月14日(月)10時〜25日(金)17時
受講料(税込) 5,500円(学生 2,200円)(受付を確認後、 7月28日(月)〜8月1日(金)の間に受講証で指定した銀行口座振込みで納入、 期日までに納入されない場合は、キャンセルとなります。)
定員 50名(先着順)
内容 自然災害、気候変動そして経済的損失などのリスクを統計的に評価するためには、データの中で極値データ(最大値または最小値)の漸近的な挙動を調べることが重要になります。この漸近的な挙動のモデルとして極値分布を用いて極値データの解析を行う分野は極値統計学と呼ばれています。一般に極値統計学では得られたデータをすべて使うことはありません。例えば、1変量の場合はブロックごとの最大値データや十分大きな閾値以上の超過データに、一般極値分布や一般パレート分布と呼ばれる分布をそれぞれ適合させて解析します。この講座では実データの解析例を紹介しながら極値統計学(極値理論)の基礎と応用について講義します。まず1日目には1変量の極値理論についてお話しします。確率変数列が独立で同一分布に従う場合と強定常の場合の極値極限分布とそれらの吸引領域について紹介します。次に、極値データ解析法と推測理論等の基礎となる正則変動関数について紹介します。2日目には多変量の極値理論とファイナンスへの応用についてお話しします。通常、極値観測データは多変量になります。多変量極値理論はかなり複雑で、今のところ未完成で多くの挑戦が続いています。多変量極値分布、多変量時系列そしてファイナンスへの応用について紹介します。
参考書:次の本は「極値統計学」の非常に良い入門書です。 Coles, S. (2001). An Introduction to Statistical Modeling of Extreme Values. Springer. また,少し専門的になりますが次の本もよく読まれています。 Embrechts, P., Kluppelberg, C. and Mikosch, T. (2003). Modelling Extremal Events for Insurance and Finance, 4th edition, Springer. Beirlant, J., Goegebeur, Y., Segers, J. and Teugels, J. (2004). Statistics of Extremes. John Wiley.
受講対象者のレベル:学部4年生以上で統計学と確率論の一通りの知識がある方。統計学と確率論の知識は仮定しますが極値統計学(極値理論)については初めから講義します。
時間割
会場 統計数理研究所
開場 9時30分