2018年 公開講演会

例年、教育・文化週間(11月1日~7日)関連行事の一つとして公開講演会を開催しております。この講演会では、一般の方を対象に、統計数理に関連したテーマをわかりやすくお話しします。

創薬のフロンティア:データサイエンスの挑戦

日時: 2018年11月1日(木) 午後1:30~4:30
開場: 午後1:00
場所: 統計数理研究所 大会議室
登録不要・参加費無料
講演プログラム
井元 清哉 (東京大学医科学研究所 教授、ヘルスインテリジェンスセンター センター長)

データ化される健康と病気:バイオインフォマティクスの挑戦

我々は、数百万箇所のDNAの違いを有し生まれ、それらは体質、病気に対するリスク、薬に対する反応の違いなどに関わっている。この遺伝的背景に環境要因、生活習慣が複雑に絡み合い、時に病気は発症する。ゲノムデータに、レセプト・特定健診IoT等の時間軸を有する情報が加わり、個々人の健康状態がデータ化されたビッグデータが構築され、健康の再定義が始まった。本講演では、ゲノムビッグデータ解析の最新事例を紹介し、その情報を如何に個々人の健康の維持・向上に活用するのか、実際の取り組みについて講演する。
吉田 亮 (統計数理研究所 ものづくりデータ科学研究センター センター長)

データサイエンスを活用して薬剤分子を設計・合成する

薬剤分子のケミカルスペースには、10^60を超える埋蔵化合物が存在すると言われています。現在、化学物質のデータベースに登録されている化合物の数は高々10^8程度であり、依然として人類には広大な未踏領域が残されています。我々が解くべき問題は,この広大な空間から薬としての要求特性を併せ持つ埋蔵物質を発掘することに帰着します。講演では、薬剤分子の設計・合成を対象とするデータサイエンスの最新技術や世界の動向を紹介し、膨大なデータの蓄積がもたらす新しい研究開発の在り方について展望を述べます。
伊藤 陽一 (統計数理研究所 医療健康データ科学研究センター センター長)

医薬品評価における医学統計学の役割

世の中に全く無害の医薬品はなく、必ず何らかの副作用を引き起こす。医薬品開発における評価の目的は、医薬品の有効性によって得られるメリットが、副作用によるデメリットを上回ることを検証することである。一般に、動物実験や、人を対象とした試験、承認後の調査によって、有効性と安全性が確認されている。本講演では、医薬品開発において実施される様々な試験において、有効性と安全性の定量化のために、どのような統計学的評価がなされているのかを解説するとともに、市販後の安全性評価における最近の取り組みを紹介する。
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