2014年 公開講演会

■ダウンロード

講演会ポスター(PDF)

■リンク

過去の公開講演会の概要
ISMイベント案内一覧

例年、教育・文化週間(11月1日~7日)関連行事の一つとして公開講演会を開催しております。この講演会では、一般の方を対象に、統計数理に関連したテーマをわかりやすくお話しします。

ビッグデータを活かせ

スパコン利用の最前線

日時: 2014年11月4日(火) 午後1:30~4:10
開場: 午後1:00
場所:

統計数理研究所 大会議室
会場への交通アクセス

登録不要・参加費無料
 * 会場の収容人数(約160名)を越えた場合は、入場を制限させていただきます。

講演プログラム

中野純司(統計数理研究所 モデリング研究系教授/統計科学技術センター長)

▼スーパーコンピュータと統計数理研究所


 スーパーコンピュータといえば「事業仕分け」で有名になり、その後「世界一」にもなった理化学研究所の「京」コンピュータがよく知られています。実は統計数理研究所もずっとスーパーコンピュータを保有し、研究に利用してきました。そして本年度は3組の特徴あるスーパーコンピュータを導入しました。本講演では、まずスーパーコンピュータとはどのようなものであるかを簡単に説明します。そして統計数理研究所がこれまでに導入してきた数々の大型コンピュータを振り返りながら、その歴史を見ます。さらに統計数理研究所が現在保有しているスーパーコンピュータの特徴、その統計科学や「ビッグデータ」との関係、などを紹介します。

講演スライド(pdf)
松岡 聡(東京工業大学 学術国際情報センター 教授)

▼Extreme Big Data: 次世代ビッグデータとスーパーコンピューティングの必然的な統合


 「スーパーコンピュータ」あるいは「スパコン」は、通常の計算機と比較すると数百倍から数十万倍の計算速度と、それに比例したデータ処理能力を有しています。その莫大な計算能力を用いたシミュレーションは、従来の科学技術で用いられてきた「理論・観測・実験」に加わる「第4の手法」として、環境・災害・エネルギー、医療・創薬、ものづくり・経済・社会など、様々な重要な分野においてイノベーションの源泉として用いられています。また、近年の「ビッグデータ」の隆盛において、スパコンはそのデータ処理能力を用いて飛躍的な解析能力の向上を可能にすることが期待されます。ただし、今後のスパコンの能力向上は、電力・コスト・信頼性・プログラミングなど、様々な難しい課題を抱えており、従来のようなペースの維持は難しいとも言われています;しかしながら、それらを克服する為に様々な研究開発が行われており、もたらすブレークスルーは最先端の成果としてスパコン以外のIT分野にも広い波及効果があるものと期待されています。本講演では、現在我が国二位のスパコン「TSUBAME」を紹介し、それらの点に関して平易に論じる予定です。

講演スライド(pdf)
大島まり(東京大学 大学院情報学環・生産技術研究所 教授)

▼シミュレーションで手術をアシスト


 近年、動脈硬化症が進み、血管に極度の狭窄が起きたときには、カテーテルを用いたステント治療が施されることが多くなってきました。このような血管内治療は、体への侵襲度が低いため、患者の身体的および経済的な負担が軽減されるメリットを持っています。一方、例えば、頸動脈におけるステント留置手術後に、過灌流による脳内出血の誘発などの症例が報告されています。手術をする前にこのようなリスクを予測することができれば、あるいは病気を早期に発見し、各患者にあった治療を見いだすことができれば、多くの方が安心して手術を受けることができると思います。
 そこで、私たちは手術後に脳内の血行動態がどのように変化するのかを予測するため、MRI、CTやSPECTなどの医用画像情報や超音波計測などの様々なデータ、と血流シミュレーションを融合することにより、患者個別に対応することのできる治療支援システムの開発を行っています。このような統合システムの開発を通して、国民一人一人がより安心して、快適で元気な生活を過ごすことができるように予測医療に貢献していきたいと考えています。

講演スライド(pdf)

4:20より約30分のスパコン見学ツアーを行います。 ご参加には講演会場で配布する整理券(先着75名)が必要です。

大学共同利用機関法人 情報・システム研究機構 統計数理研究所
〒190-8562 立川市緑町10-3 Tel:050-5533-8500(代)