統計数理研究所

2009年統計数理研究所公開講演会
講演者からのメッセージ

  1. 保木 邦仁(東北大学大学院理学研究科)
    「将棋プログラムBonanza:完全公開!強い将棋プログラムの作り方」

    本講演では、私がBonanzaと共に歩んできたコンピュータ将棋に対する取り組み を紹介します。2004年頃からプログラムの作成を開始し5年の歳月が流れています が、「優秀なアルゴリズムはシンプルである」という当初からの思いは未だ変わ りません。これからも、「力づく探索」と「局面評価の自動学習」により名人に 勝つことを目指していこうと考えております。皆さまには、「将棋は意外と簡単 に作れそうだ」という感触を得て頂けると幸いです。

  2. 岸本 章宏 (東京工業大学大学院情報理工学研究科、科学技術振興機構さきがけ)
    「詰碁とコンピュータ」

    囲碁の部分問題である詰碁問題は、人間の囲碁の棋力向上に必要不可欠である だけでなく、コンピュータにとっても難しい課題です。そのため、人工知能の代 表的な研究分野の一つです。本講演では、世界最高性能を誇る詰碁を解くプログ ラムTsumeGo Explorerの中身について説明します。TsumeGo Explorerでは、最新 の探索アルゴリズムや囲碁依存および非依存の知識など、様々なテクニックを用 いており、これらがプログラムの性能改善の原動力となっています。

  3. 石黒真木夫(統計数理研究所モデリング研究系)
    「統計科学で見るじゃんけん/じゃんけんで見る統計科学」

    ゲームの理論によれば、じゃんけんをするときはグー・チョキ・パーを等確率 で出しなさい、 ということになります。 相手も合理的に考えるはずだ、という仮 定の上に立った戦略です。 この講演ではじゃんけんというゲームのなかで人間が 合理的に行動しているかどうかを調べる統計科学の方法についてお話しします。
更新日:2009年9月14日
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